あんた が っ た どこ さ 歌詞。 あんたがたどこさ 歌詞の意味・解釈

あんたがたどこさ 歌詞 童謡・唱歌 ※ quiz.interreg4c.eu

あんた が っ た どこ さ 歌詞

体育「体ほぐし」の一事例として、 「あんたがたどこさ」(略して「あんどこ」) を紹介した。 二十分間を九つのパーツで構成した。 体ほぐしのねらいである、 気付き、調整、交流 を、伝承遊び「あんどこ」に載せてお届けする。 二 模擬授業記録 1 あいさつ 改めまして皆さんこんにちは。 「こんにちは」 お昼ご飯いっぱい食べてきた人、はーい。 ちゃんと食べてきたね、偉いね。 お腹すいている人、はーい。 私はすいてます、わけがあって食べてないです。 じゃあ、眠くなっちゃった人、はーい。 身体には正直に過ごすのがいいね。 でも、一生懸命話す人に失礼のないようにしましょうね。 2 みんなで歌おう それでは立ちましょう。 全員起立。 資料は使いません。 あとで参考に見てください。 歌をみんなで歌います。 知っているでしょうか、「あんたがたどこさ」知っている人、はーい。 みんなで歌いましょう、「あんたがたどこさ、」さんはい。 「あんたがたどこさ ひごさ ひごどこさ くまもとさ くまもとどこさ せんばさ せんばやまには たぬきがおってさ それをりょうしが てっぽうでうってさ にてさ やいてさ くってさ それをこのはで ちょいとかぶせ」 素晴らしいですねえ、拍手! 3 ゲームをするわけ 歌ったりゲームをしたり楽しんでいって、自然に雰囲気も和んでいくのではないでしょうか。 では、お座りください。 本当は次へ流れ込んでいきたいところなのですが、午前中お話させていただいた中で、ひとつ時間の関係で言えなかったことがあります。 先生が楽しんでいると、先生の表情が緩むんじゃないかなと思います。 私の実感ですけれど。 今はちょっとこわばっています。 緊張しているとこの辺がピクピク、硬い感じが、します。 子ども達とゲームをしたり楽しく授業を進めているときは、自然にこの辺がデレーッと下がってくるんですね。 なんかもう、とろけてしまいそうな感じというんでしょうか、自分の中でそんな感じをするときがあります。 ですから先生自身も、率先して子ども達と一緒に楽しむというのがいいのかなあ、とそんな感じがしたわけですね。 私がこれから模擬授業を通してやっていこうとしていることも、そんなふうにみんなで一緒に楽しめるといいなあと思って紹介したいというものです。 食後なのでちょっとお腹がきつい人もいるかもしれませんので、その場合にはご自分で調節して適当に、手を抜いて結構ですので、お付き合いください。 4 一人でやってみよう もう一度お立ちいただきます。 ちょっと動きますので椅子をしまっていただいて、右左に、自分の脇に荷物があるようでしたらちょっとどかしておいていただけますか。 さっき歌った「あんたがたどこさ」のリズムに合わせて、右左にジャンプします。 最初、「あんたがた」っていうところ、右へ右へ進みます。 〈以後、演示しながら説明〉 「あんたがたどこ」(右へ三つ進む) 「さ」だけ戻ります。 「ひご」(右へ) 「さ」(左へ戻る) 「ひごどこ、さ」(右、右、左) 「くまもと、さ」(右、右、左) と、だんだんこっち(右方向)に行きますね。 こちら(右)側の方すみません、壁にぶつかったら無理して進まないように。 (笑い) 適度なところで止まっていただきますようにお願いします。 では、全部歌っていると息があがってしまうかもしれませんので、途中適度なところで私が切りたいと思いますので、お付き合いください。 いちにのさん、はい。 「あんたがたどこさ・・・」(最後まで歌う) はい、すいません。 ありがとうございます。 戻りましょう。 はい、今、まちがえないで全部できた人、はい。 自信をもって手をあげられるかな? 自信満々の人は指先までピッと伸びてるね、すごいねえ。 はい、手を下ろしてください。 5 二人でやってみよう これを、お友達と二人でやります。 近くの人と二人組を作ったら、前の人、後ろの人、と順番を決めてください。 後ろの人は前の人の肩を両手でつかむ、この状態で、タンタンタン〈演示〉、これです。 机があって邪魔でしょうから、邪魔にならないところに移動して結構です。 はい、二人組を作ります。 できたらその場に座ってください。 さぁ、組の作れないお友達がいたら、仲間に入れてあげよう。 三人組でもいいんだよ。 そうそう、声をかけてあげている子がいる。 偉いねえ。 入れてあげて。 四人でもいいよ。 はい、組めました。 座ってください。 では、前と後ろを決めましょう。 (ジャンケンを始める。 ) 決まりましたら、そのままステージに向かって平行移動しますとぶつかっちゃうかもしれませんので、こちらのほうの方はこういう動きがあってもいいですよね、隙間を上手に利用して。 そちらのほう、こういうふうに動くのもありとかね。 では参りましょう。 元気よく歌声に合わせて、いちにのさん、はい。 「あんたがたどこさ・・・」(歌う) (途中で)はい、その程度でやめましょう、お疲れ様です。 (歌が続く。 )ノッてますねえ!(やめずに最後まで歌う) (終わって)途中で止めるのは嫌ですか?(笑い) はい、拍手ーっ。 二人組でスタートしたところにお戻りいただけますか。 これをですね、今度は四人でやりますとか、六人で一列になってやってみますとか、どこらへんまでやってみようかな。 十人組にしてみましょうか。 6 十人でやってみよう はい、十人組ができたら座りましょう。 アバウトで、十人、ぐらいで。 十人でなければできないものではないですから。 だいたい十人ぐらいでいいでしょう。 はい、できたようですね。 順番を決めて並んでごらんなさい。 並び方を考えないと激突して痛い思いをしますよ、いいですか。 7 アレンジしよう えー、こちらのグループだけステージの前で狭いのでアレンジを入れました。 皆さんは右左の動きですよね。 こちら右左でできませんので前後ろにしてみました。 そちらのほうももしかしたら前後ろがいいかもしれませんね。 右左で動けますか。 そちら、前後ろにしましょうか。 激突しないようにすり抜けられるようにしましょうね。 用意はよろしいでしょうか?「はーい!」 はい、いきます。 いちにのさん、はい。 「あんたがたどこさ・・・」(最後まで歌う) お見事!拍手ーっ! では、ご着席ください、お疲れ様です。 8 気付きを引き出す 体育で新しく「体ほぐし」の運動というのが指導要領に入ったということで、「気付きと調整と交流」を大きなテーマとして行うということのようですけれども。 「気付き」というのをやってみていただこうかなと思います。 今、「あんたがたどこさ」をやってみたんですが、どんな感じですか? 何か気付いたことがありましたらお書きいただきましょうか。 メモ程度で結構です。 (間) お話してもらいたいと思いますので、マイクを向けられましたら教えてください。 書いている途中でも結構ですので。 いかがでしょうか。 「触れ合えて声を出して…」 「ゲーム化して遊びのようにできる」 「歌いながらやると体を動かしやすかった」 ありがとうございます。 この取り組みは、授業でやらなくても、伝承的な遊びということで知っているという子もいるのかなと思いますけれども。 取り上げていくときに、運動的な要素を加えていくというようなこと、運動として、体ほぐしとしてやるのであれば、気付きと調整と交流というところをどのようにして実現するかということを、先生の側で意識して取り上げられればいいのかなと思います。 まずは、ひとりでジャンプするという 気付きを入れてみました。 それから、 調整ということで、歌いながら楽しくということで気持ちを発散させていこうというような意味あいがあります。 それから、 交流としては、まず一人でやってみて、それから二人で、四人で、六人で、と人数を増やしていく。 で、これを子ども達どうしでやるというときには、「仲良しの子と組んじゃダメ」という約束をしたり、「さっきと違う子と組もうね」というようなことを話したりして、いろんな子と関われるような場面をつくるといいかなあ、というふうに思っています。 気付きと調整と交流を実現させられるような、ゲーム的な遊び的な場面を体育の学習の中に取り入れていくということができます。 そういうことに取り組む中で、ライフスキルを身につけていく、高めていくことが可能になっていくと考えています。 9 レベルアップ というようなことと関連したことが、こういう本の中に載っています。 「伊藤家の食卓」というテレビ番組の中から、ゲームブックということで、本になって紹介されていますが、こちらには「あんどこ」という名前が載っているんですね。 皆さんに今やってもらったものは「レベル1」でしょうかね。 こちらに載っているのは「レベル2」、さらに「3」「4」「5」ぐらいになりますでしょうか、かなり難しくなります。 やってみますか、やめますか? (やってみる、の声) とりあえず試してみたいと思う人?、はい。 うわあ、意欲的な皆さん、お立ちください。 やりたくないと思う人も頑張って(笑い)。 あんまり遠くへは行きませんから、今度は。 足元にマスがありますよね。 正方形を四マス考えてください。 「田」の字が書いてあると考えていただいて。 よろしいですか。 今度はですね、私も記憶が間違っちゃうんですけれど。 そこで右左の動きがあります。 始め、右に行きます。 「あん」。 「たがた」で左に戻ってきます。 「あんたがたどこ」(歌いながら演示する) 「さ」のときは今度は前に出ます。 「さ」。 「ひご」で一回後ろに戻ります。 「ひご」。 で、「さ」でまた前へ。 そこまでやってみましょうか。 右左右「さ」で前に行きますね。 いちにのさん、はい。 (歌いながら) 「あんたがたどこさ…」 (歌い終わって)元に戻ってきますね。 はい、お疲れ様です。 (拍手) 10 さらにレベルアップ もっと続けちゃおう、これを二人組でやります。 お近くの方と組を作って。 できたら、向き合ってやります。 一歩目をお互いに右でやるならば、ぶつかり合うことはないはずです。 (笑い) 練習してみてください、どうぞ。 (練習の終了前にカウントダウンをする。 ) はい、練習をやめてください。 本番です。 さ、今度はうまくいく自信のある人?はい。 (挙手) 自信満々でやった方が楽しめるかなあ。 最初からできっこないよと思っていたら、きっと失敗しちゃうよ。 よし頑張るぞ、やってみよう、そういうふうに思って始める方が楽しめるし、途中で失敗したからってくよくよすることないよ。 初めてここでやることでしょう? 今習ったばかりなんだから、急にできなくたってちっとも恥ずかしくない。 さあ、いっしょにやってみるよ。 大きな声で歌いながら。 いちにのさん、はい。 (歌声が響く。 ) (終わると拍手が起こる。 ) みんなすごい。 あきらめないね。 最後までやった。 失敗しなかった人?はい。 (挙手) みんなで大きな拍手!(拍手) そして、最後まで頑張った皆さんに拍手を送りましょう。 (拍手) お疲れ様でした。 これで私の模擬授業を終わりにします。 ありがとうございました。 2001. 6 第5回ライフスキル教育研究大会・模擬授業(テープ起こし) 三 解説 「あんたがたどこさ」(略して「あんどこ」)ひとつで二十分間の授業をした。 易しい動きから徐々に複雑な動きへと、ステップをふんで活動できるようにパーツを構成した。 「 変化のある繰り返し」を活用したことになる。 無理なく活動に溶け込めたことと思う。 また、正確な動きを身につけることよりも、リズムに乗って楽しむことを重視した。 そのため、「失敗しても気にしなくていい」という励ましの言葉を多く使った。 「ほぐし」の三つのねらい「 気付き、調整、交流」には、ライフスキル学習とのかかわりがある。 一人、二人、四人、…と人数を増やしていくと、それだけ交流の機会が増える( コミュニケーションスキル)。 と同時に、動きそのものが複雑になる。 グループ内で相談してスムーズな動きを作り出すことも必要になる( 問題解決スキル)。 息を合わせて動かざるを得ない。 そのため、相手の様子を観察することも必要になってくる( 他者理解スキル)。 当然、自分自身の動きにも注意しなければならない。 自分自身の体の動きに対する気付きが出てくるのだ( 自己認知スキル)。 体を使って運動し、リズムに合わせて歌うことによって、ストレス解消にもなる( ストレス対処スキル)。 授業が終わった後には、若干の疲労感と共に、心地よい爽快感が漂っていた。 「体ほぐし」の導入は、非常に有益であった。 楽しみつつ体を動かして活動し、さまざまな学びを得ることができる。 また、一連の活動を通じて、数々のライフスキルを身につけ磨いていくことができる。 「体ほぐし」には、短時間でできる運動のメニューがたくさんある。 ぜひ挑戦していただきたい。

次の

あんたがたどこさ

あんた が っ た どこ さ 歌詞

深夜十一時。 僕と友人の福太郎は、今はもう使われていないとある山奥の小学校にいた。 グランドには雑草が生え、赤錆びた鉄棒やジャングルジム、シーソー。 現在は危険というレッテルを貼られた回転塔もあった。 僕と福太郎はこの小学校に肝試しに来たのだった。 本当はもう一人、清志郎という友人も来る予定だったのだが、あいにく急な用事が入ってしまった様で、二人で行くことになった。 野郎二人で肝試しとは別の意味でゾッとするが、この福太郎と言う奴は、幽霊を見るためなら他の条件が何だろうとお構いなしなのだ。 ただ一つの条件を除いて。 「……だってよー。 一人じゃ見たっつっても誰も信じてくれねえじゃん?」 もっともらしい理由だが、僕は知っている。 こいつは実は怖がりなのだ。 それでもって熱狂的なオカルトマニアで、心霊スポット巡りが趣味なのだ。 しかしそんな福太郎のおかげで、僕は普通なら見ることの出来ないものもいくつか見てきた。 「清志郎のヤロウ正解だったなー、ここハズレだわ」 「うーん……、確かにね。 物音ひとつしなかったしなあ」 ハズレならハズレでそれは有難いのだが、僕だって怖いものは怖い。 でも興味はすごくある。 6:4で見たいけど見たくない。 分かるだろうかこの心理。 というわけで、僕らはさっきまで学校内をウロウロしていたのだが、あいにくここで自殺したと言う生徒の幽霊は見ることが出来なかった。 懐中電灯を消したり、わざと別々に行動したり、音楽室も理科室も怖々覗いたのだけれど、結局、何も出なかった。 時間が悪かったのか、それとも福太郎が「くおらー、幽霊でてこいやーっ!」などと怒鳴りながら探索してたせいだろうか。 そうして、僕らは幾分がっかりしながら、小学校のグランドに出たのだった。 「で、どうすんの?帰る?」 僕は福太郎に訊いた。 福太郎は明らかに不満そうな顔をして、いつの間にか拾ったらしい木の枝で、地面にガリガリ線をひいていた。 黙ってその様子を眺めていると、福太郎は地面に二メートル四方ぐらいの正方形を描いた。 次いで、その図の中に十字線がひかれる。 田んぼの『田』だ。 福太郎が顔を上げて僕の方を見た。 その顔から不満そうな表情は消えて、ににん、と笑う。 「なあなあ、お前、『あんたがたどこさ』って知ってっか?」 いきなり尋ねられ、僕は少しあたふたしながら、脳内の箪笥からその単語の情報を引っ張り出した。 「知ってる。 手まり唄だろ。 毬つきながら、ええと……あんたがったどこさ、ひごさ、ひごどこさ、くまもとさ」 「分かった分かった。 ……じゃあよ、『あんどこ』って知ってるか?」 「あんどこ?」 『それは知らない』と僕が首を振ると、福太郎は手にした木の棒で、今しがた地面に描いた図形、田んぼの田を指した。 「『あんどこ』ってのは、この四つの四角の枠の中でな、リズムに合わせて飛ぶんだよ。 右、左と基本は左右交互に飛んで、あんたがったどっこさっ、の『さ』の部分だけ一瞬前に飛んで、戻る……いいか?よく見てろよ」 どうやら手本を見せてくれるらしい。 せーの。 「あんたがったどっこさあっ!ひっごさ。 ひっごどっこさ!?くまもっとさ!くまもっとどっこさ?せんっばさあっ!!」 大声を張り上げながら、福太郎は自分で作った図の中を前後左右にぴょんぴょん飛び跳ねた。 「……とまあ、大体こんな感じだな。 分かったろ?」 と言われても、僕としては首を傾げるしかない。 こいつは一体何がしたいんだろうか。 分かったのは、やはり福太郎はとてつもなく音痴ということだけだ。 「今のが『あんどこ』 ……まっ、遊びだ。 遊び」 「へえ……で?」 もしかして、それを僕にもやれと言うのだろうか。 しかし福太郎の顔にはまさにそう書いてある。 「で、じゃねえよ。 お前もやんだよ。 二人で『あんどこ』」 「やだよ。 なんで僕がそんなこと」 「何でってお前……しらねえの?ま、噂だけどよ。 これ二人で目えつぶってやったら、なんか『別の世界』に行けるんだとよ」 およ、と思った。 せっかく小学校に来たのだから、ただ単に昔を懐かしんで子供の遊びをやろう、と言うわけでもないらしい。 それなら面白そうだということで、僕はその『あんどこ』をやることにした。 福太郎の説明によると、田んぼの田の形に区切られた四つのスペースの内、まず二人がそれぞれ左ナナメに相手が居る様にして立つ。 それから目を瞑り、暗闇の中で『あんたがたどこさ』を唄いながら飛ぶ。 スタートは左に。 全てを唄い終わり、『ちょいとかーくーす』の『す』で前に飛んで終了、そこで目を開ける。 何が起こるかはお楽しみ。 注意事項として、歌を間違える、飛び方を誤る、相手にぶつかる、目を開けた時に田んぼの田からはみ出したら失敗。 「んじゃ。 行くぞ」 「ちょっと待って」 「何だよ?」 「いや、ちょっと気になったんだけど。 『あんどこ』が成功してさ。 その、福太郎が言う妙な世界にもし行けたら、……帰ってこれんの?」 すると福太郎は「うはは」と笑い、「シラネ」と言った。 「おいおい……」 「まあいいじゃねーか。 さ、はじめっか……目を瞑れーっ!」 まあいいのか?と思いつつも、僕は目を瞑った。 せーの。 あんたがったどっこさ…… 「イテっ!」「あたっ」 いきなり間違えた。 慣れないと意外に難しいのかもしれない。 「おいおいお前、ちゃんとやれって!」 「あははのは。 ごめんごめん。 次は、さ?」 「ったくよー」 頭の中でシュミレーションする。 交互に交互に……さ、で飛ぶ。 いっせーの。 「……いてっ」 正面衝突。 一瞬間違えたのかと思って謝りかけたが、よく考えてみると、僕は間違っていない。 目を開けて見ると、福太郎が手刀をかざして「わりーわりー」 「次は本気で行くからよ」 僕は何だか急に馬鹿らしくなってきたが、あと一回くらいはやってみようかと思う。 いっせーのっせ。 四角の中に居た。 成功だ。 ちょっと誇らしい気持ちになって、僕は福太郎はどうかなと思い振り返った。 そこに福太郎の姿は無かった。 「……え?」 右を見て、左を見て、もう一度右を見て。 僕は、ははあ、と思う。 全てはこのためだったのだ。 『目を瞑ったままのあんどこ』などという凝ったことをさせておいて、福太郎は唄の途中でこっそり抜け出し、僕がおろおろするのを隠れて見て楽しむつもりなのだ。 福太郎の奴め。 僕は何とかして福太郎を見つけてやろうと思い、そこら中を注意深く見渡した。 グランドに身を隠せるような場所は少ない。 しかし、福太郎は見つからなかった。 うまく隠れたものだ。 そうして僕は、持っていた懐中電灯で地面を照らした。 グランドに福太郎の足跡が残っているかも、と思ったのだ。 しかし、足跡は無かった。 ……おかしい。 その時だ、違和感を覚えた。 僕らはさっき前後左右に飛び跳ねてたはずだ。 足跡はともかく、その飛んで着地した痕跡までない。 地面に見えるのは、福太郎が描いた図形だけ。 僕は二歩三歩と歩いてみた。 足跡はつく。 これはおかしくないだろうか。 辺りをもう一度見回す。 誰も居ない。 風の音もしない。 さっきまでは吹いてたはずだ。 そう言えば、虫の声も聞こえなくなった。 「おーい……」 おーい……、おーい、おーい…… 僕はその場に飛び上がった。 福太郎を呼ぼうと叫んだ瞬間だった。 まるでトンネルの中に居るかのように、僕の声が周囲にこだましたのだ。 やまびこでは無い。 ここは広いグラウンド。 後ろに学校はあるが、何度も音が反響するなんて絶対におかしい。 僕は途端に怖くなった。 「なあっ、おーいっ!」 二度目……返事は無い。 僕の声だけが辺りにしつこくこだまする。 ふと思い至って、ポケットの中の携帯電話を取りだした。 確かにさっきまでは使えたのだ。 学校の中で清志郎からのメールも受信した。 『別の世界』 福太郎が言った言葉がふと頭をよぎる。 ここは、もしかして、そうなのか。 あんたがたどこさ。 ここは、どこだ。 小学校の入口に目を向けた僕は、『それ』に気がついてぎょっとする。 発作的に走りだしていた。 学校の外には車が停めてあったが、鍵は持っていない。 それよりも、この小学校は山を少し上った位置にある。 ここに来る時、小学校に入るすぐ前の道からは、下の街の夜景が一望できたのだが。 そこは街を見下ろせる場所。 絶句する。 街が無かった。 いや、正確に言えば、遠目ではあったがそこに街はあった。 ただしその街には、明かりがただの一粒も灯っていなかった。 街が黒い。 いくら深夜でもあり得ない光景だ。 僕はその場にへたり込んでしまった。 Sponsored Link ようやく確信する。 僕は異世界への扉を開けてしまったのだ。 帰る手段は知らない。 ぞわぞわと、ゆっくり、足元から恐怖が這いあがって来る。 ……どうしよう。 僕は立ちあがって学校へと戻った。 とりあえず何か考えがあったわけではない。 あのままじっとしていて正気が保てるかどうか怪しかったのだ。 学校の校庭。 赤錆びた鉄棒、シーソー、回転塔。 グランドの中央あたりに、福太郎が描いた図形。 僕はその中に入って、再びへたり込んだ。 何をしていいか分からない。 福太郎を探そうか。 でも無駄な気がする。 「わっ!」 意味も無く叫ぶ。 こだまする。 一体何なんだこの反響音は。 僕はもっともっと、遮二無二叫びたい衝動を懸命に押し殺した。 駄目だ。 冷静になれ。 人は考えに考えた末、壁をよけて通ることを覚える。 これはたしか友人の清志郎が気に入っていた言葉だ。 考えなければ、アイデアは生まれない。 考えろ、僕。 そこで一つ思い至る。 僕が今座りこんでいるこの地面の図形。 僕はこの図形からここに来たのだ。 『あんたがたどこさ』によって。 では、同じことを繰り返せば、元の世界に戻れるのではないか。 俄然元気になった僕は、図形の中に立つ。 眼を瞑る。 せーの。 間違えない様に、慎重に。 「かーくー、……っせ!」 どうだ。 目を開く。 風景に変わりは無い。 しかし、静かだ。 どうだ、僕は戻れたのか? 「……わっ」 ……わっ、わ、わ…… こだました。 僕は戻れなかったようだ。 それから何度かパターンを変えて試してみた。 スタートの位置を変えてみたり、飛び方を変えてみたり、福太郎の様に音痴に唄ってみたり。 けれども、いずれも効果は無かった。 もしかして、二人でなくては駄目なのか。 一人では駄目なのか。 いかんいかん、冷静になれ。 後頭部を叩く。 考えろ考えろ僕の頭。 もしもだ、僕が『あんたがたどこさ』によってここに来たとする。 そうだとしたら、その歌詞に何かヒントが隠されていないだろうか。 僕は『あんたがたどこさ』の歌詞を頭の中でなぞってみた。 肥後……熊本……せんば山。 そこで僕はふと思い至る。 あの歌詞の中で隠されたのはタヌキだ。 鉄砲で撃たれて、煮られて、焼かれて、木の葉で隠される。 もしかして僕はタヌキ?だったら福太郎は猟師だろうか。 しかし、そんなことに気付いてもどうにもならないのだった。 足元からじわじわ上って来る恐怖が膝を越えた。 足が小刻みに震えだす。 まずい、正気の僕に残された時間は割と少ないらしい。 勘弁してくれ。 僕だって怖がりなのだ。 一人は怖い。 いつもはどんな心霊スポットに行ってもそれほど怖くは無い。 何故なら僕の隣には清志郎と福太郎が居るからだ。 そう言えば今日は三人じゃなかった。 それがいけなかったのかもしれない。 清志郎が今日来れなかった。 急にバイトが入ったと言った。 けれど先程、僕と福太郎が学校の探索をしている時にメールが来ていた。 その時の僕は廃校探索に夢中で、清志郎からだと知っただけでメール自体は見てなかった。 それを思い出した僕は、ポケットから相変わらず圏外で役に立たない携帯を取りだした。 操作してメール受信画面を開く。 『今何処にいる?』 それが清志郎からのメールだった。 それが分かれば苦労しない、と僕は思う。 そうして僕は、足の震えと共に少しだけ笑った。 このメール内容。 あんたがたどこさ、じゃないか。 「あんたがったどこさ。 ひごさ、ひごどこさ……」 僕は無意識の内に唄い出していた。 そろそろ正気がやばい。 立っていられなくなりそうだった。 唄いながら、この足では毬を跨ぐことも出来ないな、と思った。 「……くま……え?」 足の震えが止まった。 僕は気がついたのだ。 その瞬間、堰を切った様に走り出していた。 そうだ。 あんたがたどこさ。 ……そうだった。 僕は走る。 誰も居ない学校に向かって。 走りながら呟く。 「あんたがたどこさ。 ひごさ、ひごどこさ……」 そうだよ。 あの唄は、元々…… 「……手毬唄じゃないか!」 可能性は見当もつかなかった。 客観的に見て、まるで高く無いとは思う。 何をどうすればいいかも分からなかった。 けれど、何故か確信できた。 これが元の世界に戻るやり方だと。 僕は小学校の校舎脇を走り抜け、裏手に回った。 目当ての建物は校舎じゃない。 ……あった。 体育館。 入口に鍵はかかっていたけれど、床近くにある通風孔が一部壊れていたので、そこに身体を滑り込ませて中に入った。 懐中電灯を付ける。 しかし幽霊でもいいから出てほしい気分だった。 体育館倉庫には幸運にも鍵は掛かっていなかった。 錆ついて重たい扉をスライドさせる。 中にはここが小学校として機能していたころの名残がそのまま置いてあった。 目当てはバスケットボール。 ほぼ全部のボールが空気が抜けて萎んでいたが、空気入れを見つけ、それを使ってボールに命を吹き込む。 空気の入ったバスケットボールを持って、僕は体育館の中央に立った。 床にボールを落とす。 ダム、と音がして勢いよく跳ねる。 再び両手にボールを抱え、僕は目を瞑った。 深呼吸。 いっせーのーせいっ! 「……あんたがったどっこさ、ひーごさ、ひーごどっこさ……」 唄い出すと同時にバスケットボールをつく。 目を瞑ったまま。 『さ』の部分で片足を上げボールの上を通過させる。 ちなみに、僕は元バスケット部だ。 「くーまもっとさ、くーまもっとどっこさ、せんばさ……」 心臓が鳴っていた。 また足が震えだした。 唄いながら自分自身を鼓舞する。 もう少しだ、頑張れ僕。 「ちょいとかーくー、すっ!」 最後に思いっきり力を込めてボールをついた。 ボールは今までの最高速度で地面にぶつかり、僕の頭より高く上がったはずだ。 そして僕は目を瞑ったまま、その場で足を軸に一回転した。 意味は無い。 自分でハードルを上げただけ。 両腕を前に出す。 この中にボールが落ちて来るのか。 時間にすれば二秒は無かったと思う。 でも長かった。 腕の中にボールが落ちる感触はない。 しかしいつまで経っても、ボールが床に落ちる音もない。 しばらくそのまま目をつぶっていた。 開けるのが怖かった。 でも、足の震えはいつの間にか止まっている。 深呼吸、一回、二回。 僕は目を開けた。 バスケットボールが消えていた。 「……うわー」 ……うわー……うわー、うわー…… 僕の声がこだまする。 でもそれは体育館だったから当たり前だったのだ。 そのことに僕が気がつくまでに相当の時間を要したけれど。 耳を澄ませば、外で鳴く虫の声がかすかに聞こえた。 僕は携帯を取り出す。 アンテナが一本立っていた。 信じられないだろうが、携帯のアンテナが一本立っていたことに、僕は本当に飛び上がって喜んだのだ。 その瞬間、僕の手の中の携帯が鳴った。 清志郎からだった。 急いででた。 『……よお。 ところでお前さ。 いま、小学校にいるのか?』 清志郎の声。 不覚にも泣きそうになりながらも、僕は「うん、うん。 そうだよお!」と大声で返事し、若干ひかれた。 がんっ。 体育館にすさまじい音が響く。 何事かと思って音の方を見ると、丁度体育館の裏口が蹴破られて、息を切らした福太郎が中に入ってきた。 そうして福太郎は懐中電灯をこちらに向けた。 ……おおう。 こんなとこに居やがった。 ……マジでありえねーし。 目え開けたらいきなり居ねえんだもん……マージーありえねえよまったくよお……」 そう言って福太郎は「あーうー、だあーもう疲れた……」と、体育館の床にだらんと寝そべった。 電話の向こうで清志郎が何か言っている。 僕は黙っていた。 戻ったら絶対一発ぶん殴ってやろうと思っていたのだけれど、体育館の床の上で「うーんうーん疲れたよーい」と唸りながら転がる福太郎を見ていると、何だかその気も失せた。 僕は受話器を耳にあて直し、清志郎に向かって言う。 「とりあえず、帰るよ」 『ん?……おう、そうか』 それから、帰りに清志郎の家に寄る約束をして電話を切った。 そうして、まだ床でごろごろしている福太郎を軽く一発蹴ると、実はぼろぼろ泣いていた奴を引っ張り起こして、二人で車まで戻った。 運転席に座った福太郎が鼻をすすりながらエンジンをかける。 小学校から少し降りると、街の夜景が見えた。 助手席の窓から見たそれは、僕にとって今まで見たどんな夜景よりも綺麗で。 それは決して、僕の目が涙で滲んでいたからでは、ない。 しかしながら、自分で言うのもなんだが、不思議なことに、これだけの経験をしても、もうこりごりだとは思っていない。 あんたがたどこさ。 どこでもいいよ。 けど、次は三人で行きたいなあ、と思う。 (了) Sponsored Link -• 人気のコンテンツ• 最近のコメント• に 匿名 より• に 匿名 より• に 匿名 より• に うーん より• に めんどうしゅうたろう より• に めんどうしゅうたろう より• に めんどうしゅうたろう より• に めんどうしゅうたろう より• に 笠島 より• に 匿名 より• に より• に 匿名 より• に 匿名 より• に 鴨川燕 より• に 匿名 より• に 匿名 より• に 匿名 より• に 匿名 より• に 匿名 より• に より• メタ情報• ブログランキング.

次の

「あんたがたどこさ」の歌詞全文とその意味とは?実は怖い歌だった?

あんた が っ た どこ さ 歌詞

あんたがたどこさは ボールを使って1人で遊べるゲームです。 基本1人で遊ぶゲームとなりますが、2人や3人で友達と一緒に遊ぶこともできます。 正式な題名は 肥後手まり唄と言います。 他の遊びと違ってひとりでも遊べるのが特徴で、遊べば遊ぶほど毬つきが上達します。 小学生に上がりたてかその前後くらいの子供向きの遊びとなります。 ボールがつけるところならどこでも構いませんが室内だと物を壊してしまうかもしれないので基本的には外で遊びましょう。 今回はこの、あんたがたどこさの遊び方や楽しく遊ぶためのコツや、ひらがなと漢字の歌詞を2番まで紹介しますのでぜひ参考にしてください。 タイトル あんたがたどこさ カテゴリ 使う道具 利用目的 必要人数 難易度 所要時間• 集まった人数で一緒にボールをつく• 「さ」の部分で別の人にパスをする• 「さ」の部分で別の人にバウンドさせながらパスをする など複数人で遊ぶと盛り上がります。 また誰が一番続けられるか競い合ってもいいですね。 では次に、あんたがたどこさの歌詞について紹介します。 1番は歌えるけど、2番は知らないという人も多いのではないでしょうか。 今回は1番と2番の歌詞を、ひらがなと漢字でそれぞれ紹介します。 次にこちらの歌詞が作られた時代や意味についてみてみましょう。 意味 昔の童歌は、徳川埋蔵金や別の文章が隠されているなどの暗号もあると未だに研究がされています。 そんな中、「あんたがたどこさ」は歌詞に熊本が出てきますが、関東地方の童歌とする資料が残されています。 さらに歌詞は熊本弁ではなく関東方言になっているため歌で熊本のこと、熊本市船場地区を舞台として触れているだけとも言われています。 しかし、船場の部分は埼玉県川越市の仙波山のことを指していたり、狸は「徳川家康」のことを指しているかもしれないという噂もあります。 歌詞をそのまま解釈するならば、熊本の船場、もしくは埼玉県の仙波付近の子供たちがどこから来たのか訪ねている様子を表しています。 まとめ 今回は、 あんたがたどこさのルールや遊び方を紹介しました。 他にもお手玉やリズムに合わせてジャンプする遊び方もありますね。 私が小さい頃、友達がよく公園や家の前で遊んでいたのを覚えています。 男の子というより遊んでいたのは女の子の方が多かったです。 小学校から帰るとあんたがたどこさでボールをついて遊び、練習し、次の日に学校で友達とどっちが上手が勝負する。 そんな日を繰り返していました。 いい思い出です。 しかし、ひとりでも遊べるあんたがたどこさには 注意点があります。 ボールをついて遊ぶので室内はおすすめしませんが、外でも場所をきちんと選びましょう。 道路に面したところではボールが飛んでいき危険が及ぶので必ず公園や広い敷地で遊ぶようにしてください。 小さい頃に、友達が道路に飛び出して危険な目に遭っているのを何度も見ているので、遊ぶときは本当に気を付けてほしいです。 ぜひ、今回紹介した遊び方と楽しく遊ぶコツを混ぜて遊んでみてくださいね。

次の