カンザキ イオリ 過去。 カンザキイオリの顔と性別がヤバい?年齢は?命に嫌われているが名曲!

カンザキイオリ特集!プロフィールや特徴、代表曲などを紹介

カンザキ イオリ 過去

「あの夏が飽和する」 物語調の、夏をイメージした曲です。 この曲を完成させたのは何年か前の冬の時でした。 「夏の曲だから夏頃に投稿しよう!」 と意気込んでいながら、いざ次の夏が来た時に忘れてしまい、 「じゃあ、次の年に投稿しよう!」 と思いきやまたもや忘れてしまい、インディーズアルバムに収録する曲にしようと改変を重ね二〇一八年の八月にやっと投稿した曲です。 なので歌詞も結構前に作ったもので、所々青臭い歌詞の部分もあって恥ずかしくもあります。 当時初めて物語調の曲を作ったということもあり、構成をどう持っていくか、ラストでどんな印象を聞いてくれる人たちに植え付けるかを考えるのが大変で、それでいてその中でいかに僕が言いたいことを散りばめるか、世界観を表す部分と、自分の気持ちを表す部分、その調整にかなり苦戦した覚えがあります。 苦戦した結果上手くまとまらず、結局長い歌詞になってしまいましたが、仕上がりはかなり気に入っています。 曲中の物語は、僕の実体験を元に作っています。 別段、この曲のように女の子と一緒に旅をすることも、もちろん誰かが死ぬわけでもありません。 中学三年生の夏頃、通算何度目かわからない家出を決行しました。 実は小学四年生の頃から、不仲な家庭に嫌気が差し、最低でも毎年一回レベルで家出をしていました。 それまでは家出といっても、家族に何も言わず、学校をサボって、バスでお金があるところまでふらっと行って、ちょっと気分が落ち着いたらふらっと帰ってくる、というただ日帰りで遠出するだけだったのですが、その時だけは本気度が違いました。 家庭では誰一人喋らず、学校でもいじめられていて居場所がなく、それでいてちょうど進学を考える多感な時期だったので、ストレスも大きかったんだと思います。 ここから逃げ出したいと強く願い、夏が始まる時期に僕は自殺未遂を起こしました。 自殺未遂に関してはまた別のところで詳しくお話ししようと思いますが、とにかく、未遂ですから失敗に終わり、それなら死ぬのではなく、文字通りここから逃げ出して新しいところで人生をやり直そう!と家出を強く決意し、午後十一時、自転車のカゴに小型の空気入れと、リュックと、防寒着一着、パンツと靴下一セットずつ、それなりの準備をしてコソコソと家を飛び出しました。 どこにいくかも決めず、ただあてもなく、好きな方向へ自転車をこぎ続け、そうすると段々自分が知らない田舎道に行き着いて少し不安になりましたが、この野原を越えたら僕はまた一つ大人になれる、と意味がわからないことを考え、ひたすら走り続けました。 お金はありませんでしたから水分や食料を購入することができず、時々川の水を飲んだり、丁度道の途中で工事現場を見つけて、工事中のおじさんが現場の離れた場所に置いていた、ポカリスエットがたっぷり入った水筒を盗んだりして生き延びました。 もちろん犯罪です。 当時は携帯電話なんて便利なものは買ってもらえませんでしたから、気づけば今どのくらい走っていて、どうやって家に帰ればいいかも調べられず、とうとう後戻りができなくなったと感じた時、自分の今までの苦悩は全て白紙に戻った気がしました。 僕はやっと、可哀想な子じゃなくなったんだ。 いじめられて、臭い奴と言われて、時には泣きながら帰った自分はもうどこにもいない。 今までの自分は死んだ。 これからは新しい自分を探しに行くんだ。 自転車で田舎の坂道を、汗まみれで必死に立ち漕ぎしながら、そんなことを考えていました。 しかし、金もなく食料もなくサバイバル知識もない、一人ぼっちのたかが中学三年生のガキが、何時間も何日も走り続けられるわけがありません。 結局最後は疲れ切って道路脇で座り込んでいるところを、優しいおじさんが心配して声をかけてくれて、最初はごまかしていましたがすぐにバレてしまい、交番に連れて行かれました。 交番に連絡してくれた時、かすかにおじさんの携帯の待受が見えて、そこには息子さんと娘さんであろう子供達の大層幸せそうな写真がありました。 素敵な家族写真で、嫉妬で殺してやろうかと思いました。 交番に連れて行かれ、おじさんが警察の人に事情を説明した後、またそこから警察署に「保護」という形で連行されることになりました。 正直、ワクワクしてました。 パトカーの中ってどんな感じなんだろう、とか、事情聴取の時にカツ丼もらえるのかなぁ、とか。 警察に連行されるという初体験に心が躍っていましたが結局、パトカーは機材が沢山ついているだけの普通の車だし、事情聴取でカツ丼はくれないし。 それでもちょっと期待して、ずっと何も食べてないからお腹すいてるよアピールをそれとなくしていたら、事情聴取してくれたおばさんが飴をくれたのを覚えています。 美味しかったです。 美味しかったけどカツ丼がよかった。 警察署に連れてこられて初めてわかったのですが、捕まった場所は隣の県。 家から山を一つ超えた百キロほど離れた場所で捕まったらしく、家出としては最高記録。 いい筋トレになりました。 もちろん、生き延びるために盗んだ、空っぽになった水筒は警察の人に預けました。 警察のおばさんにとっても怒られました。 その後警察から連絡が来た家族が迎えに来て、泣く泣く元の家に帰ってきた直後の僕の環境に、ちょっとだけ変化が起きました。 家に帰宅した次の日の夕食が、なんと家族全員が揃っていたのです。 ひどく警察に家庭のことについて詮索されたのか、それともお節介の母あたりが提案したのか、原因について本当のところはわかりませんが、その日は全員で夕食を囲むことになったのです。 そういえばパトカーに乗って警察署に連れて行かれる時、警察の人が家出の理由を聞いてきて、僕はなんとなく「家にいてもいなくても一緒だから。 夕食はバラバラで食べるし」と言っていたので、もしかしたらそれを警察の人が両親に伝えたのかもしれません。 夕食の場に全員が揃っている風景を見て、正直とてつもなく感動しました。 父と母と兄が同じ献立を食べ、同じテレビを見て、同じ空間にいるのを初めて見たのですから。 しかも同じ献立を食べているだけでは収まらず、父と母がちょっとだけ会話をしていました。 時々怒鳴り合っているところを見たことはありますが、普通の家庭のように会話のキャッチボールをしっかりするのを見たのも、その時が初めてだったと思います。 冗談も誇張もなしに、僕は物心ついた時からそんな風景を見たことがなかったのです。 本当に嬉しかったし、やっと僕もごく一般的な普通の家庭として生きていけるんだと思いました。 と思いきや、三日もしないうちに、またバラバラで食事をとる生活が始まりました。 それもそのはず、何年も話をしなかった僕たちが、普通の家庭になんて簡単になれるわけがありません。 慣れてはいたので、その時にはもうそこまで驚きませんでした。 もちろん学校のいじめも変わりません。 先生は干渉しませんし、家出をしたからといって、何もいじめには関係ありませんから。 僕の旅は結局、無意味で、無駄で、報われないまま終わりました。 変わったのは自分の心情だけでした。 そんな過去を、僕は半ば武勇伝のように思っていて、あのひたすら逃げて、ドキドキワクワクしたひとりぼっちの旅をなんとなく形にしたくて、この曲を作りました。 報われなかったけど、確かに旅をしている時とても楽しかった。 心の何処かでは失敗に終わるとは分かってはいたけれど、でもどう転ぶか分からない、そんなあの頃の僕のワクワクと期待感が、この曲を通して皆さんに伝わってくれたら嬉しいです。 余談ですが、二十歳になり、上京してきた理由も家出のような理由です。 家のストレスで就職活動もままならなかった僕はすでに「僕の人生を決めるのは、まずはこの家から逃げ出してからだ」と思っていました。 なので就職もせず、やりたいことも決めず、少ない貯金で東京に飛び出してきました。 東京は気温が暖かくて、すぐ汗をかく僕には最初うまく馴染めませんでしたが、今はなんとかやっています。 今は、あの頃不幸な環境にいた自分に幸せを感じさせてあげるために、沢山やりたいことに挑戦しています。 あの場所から逃げ出して、今新しい人生を生きています。 考えてみると、あの頃の家出は大人になっていつのまにか、やっと成功していました。 これからの人生をどう生きようが、全て僕の勝手です。 歳を重ねたら、外国にも行ってみたいです。 僕はキムチと肉料理が大好きなので、いつか韓国にも住んでみようと思います。 そして沢山の人と出会い、素敵な人と結婚し、いろんな世界のものを食べ、様々なことを体験し、幸せになりたい。 そして父と母と兄が死んだ時、彼らの葬式で、彼らの死体を蹴り飛ばし、踏みつけて唾を吐き、「お前たちより幸せになってやったぞ、ざまあみやがれ」と高らかに言ってやる。 そんな夢が心の何処かにあります。 僕は今でも、自分を好きになれません。 カンザキイオリ 1stアルバム「白紙」同梱『解説「白紙録」』より 4月24日発売 カンザキイオリ 1stアルバム「白紙」 新世代ボカロP、カンザキイオリの1stフルアルバム。 代表曲であるモンスターヒット「命に嫌われている」や「あの夏が飽和する」、「君の神様になりたい」等の既発曲を音色やミックスを変えるなど再構築し、新曲「音楽なんてわからない」、自身の歌唱による「進化劇」、カンザキがリミックスを熱望した同じく新世代ボカロPのGuianoによる「音楽なんてわからない Guiano Remix 」を含む全十四曲を収録した現時点での集大成であり、カンザキイオリ第一章といえる作品集。 CDの他にカンザキイオリが執筆した十三偏の詩と短編小説で構成された【詩小説「遺品」 全 三十六ページ 】、CD 収録曲の一つ一つがどのように産み出されたかと共に自身の生い立ちなどを生々しく赤裸々に語った自叙伝とも言えるセルフライナーノーツ【解説「白紙録」 全六十ページ 】、缶バッジ三個、ステッカー三枚が同梱されたスペシャルボックス。 カンザキイオリ第一章。

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ハグ/初音ミク

カンザキ イオリ 過去

今回も僕が大好きなボカロPのお話です。 今回のカンザキイオリさんは一度曲を聴くと ヤミツキになること間違いなしです! というのも僕も最初は別の人の 「歌ってみた」動画で知ったんですが、 曲があまりにも独特なんです! なんていうか心に染みるんです。 で、気づいたら夢中になって聴いてました。 普段、お話してる 「須田景凪(バルーン)さん」も もちろん大好きです。 でも違った魅力と感性が カンザキイオリさんの曲には詰まっています。 そこで今回は、 「カンザキイオリさんって何者?過去の家庭環境や生年月日、年齢、性別は?」 ということをまとめてみました! スポンサーリンク カンザキイオリさんの過去の家庭環境が気になる! なんか無粋な話ですかね?ww ですが、ちゃんと理由があるんですよ!? カンザキイオリさんの曲を 聴いたことがある人は 分かると思います。 カンザキイオリさんの曲って なんか全体的に「闇」を 感じる部分があるんですよね。 先に言っておきますが、 悪い意味じゃないですよ!! では、調べた結果なんですが、 そういった闇的な情報はありませんでした。 ですが、一曲の紹介文が気になりました。 「アダルトチルドレン」いう曲なんですが この紹介文の 「家族愛の歌です」が 気になって歌詞を見てみました。 曲の真ん中あたりでは 「嫌われないように繕った笑顔で友達ができた 繕う相手は違ったが心から嬉しかったんだ それから少しずつ自分が汚く黒く思えてきて うまくしゃべれなくなっていた。 気づけば皆離れてった」 友達を必死に作ろうとして でもウソをついてる自分が嫌になって 気づいたら作った友達もいなくなる。 切ないですよね・・・。 自己嫌悪と打開策が見えない 毎日に苦しんでいるのが分かります。 そして 「僕だって、同じように愛のある家に生まれて 笑いあって、生きててよかったねって素直に言い合えて 変われない今日よ終わって 変わらない今日よ終わって」 さっきの自己嫌悪は他人への嫉妬だったんですね。 単純に「愛」が欲しいのにもらえない毎日・・・。 同じ歌詞が2回繰り返し入っているのは そんな日々が変わってほしいのが、 強い表れだと表現しているのでしょうね。 最後に、 「変われない今日が苦しくってもう 誰も彼も何も信じられなくてさ。 とうとう言っちゃうのさ 「愛されてるくせに」 「ずるいよ」」 そんな辛い毎日に耐えかねて 家族も友達も信じられなくなり 最後の2言を言ってしまうのでしょうね。 ですが、歌詞は「言っちゃうのさ」になっています。 つまり言わないとやってられなかったんですね。 この「のさ」には限界だったんだというのが伝わってきます。 違うと信じたいですが、 これがカンザキイオリさんの 過去だとしたら悲しすぎだよね・・・。 ですが、大丈夫でしょう! だってそんな情報は 一切無かったんですから・・・。 スポンサーリンク カンザキイオリさんの生年月日、年齢、性別は? ある程度の情報は見つけることが出来ました! ですが、さすがはボカロPと言ったところ、 情報が少なすぎて大変でしたよww 先に書きますが、 性別に関しては明確な情報は ありませんでした。 やはり顔や声を出していないので 判断出来ませんね。 カンザキイオリさんの生年月日、年齢について 詳しい年齢は分からなかったので 何年産まれかは分かりませんでした。 ただ、誕生日は過去に ツイッターでつぶやいていました。 誕生日は「3月11日」です。 年齢ですが、ボカロPという活動は 若い世代の方が活動しています。 カンザキイオリさんも昔から 活動されています。 「アダルトチルドレン」も 2017年に公開されています。 そう考えるとまだ 20代の可能性が高いですね。 スポンサーリンク カンザキイオリって何者?過去の家庭環境や生年月日、年齢、性別は?まとめ いかがでしたか? 僕は色んな曲を聴いていくうちに ハマったというか・・・。 なんて言うか、僕はすごい共感というか 大げさに言うと「泣いて」しまったんですよ・・・。 カンザキイオリさんの曲は 考えさせられる曲が多いですが シンプルに感動する曲も多いですよ。 先ほどの「アダルトチルドレン」や 「あの夏が飽和する」など。 ボーカロイドの声が苦手という人はいると思います。 でも、「歌ってみた」でのカバーもあります。 そちらで聞いてみてください。 それでも感動しますよ! あと、PVは至ってシンプルです 笑 これにてまとめを終わります。 最後までお読みいただきありがとうございました。

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『命に嫌われている』の歌詞の意味を知ったら、世界観が変わった。

カンザキ イオリ 過去

「あの夏が飽和する」 物語調の、夏をイメージした曲です。 この曲を完成させたのは何年か前の冬の時でした。 「夏の曲だから夏頃に投稿しよう!」 と意気込んでいながら、いざ次の夏が来た時に忘れてしまい、 「じゃあ、次の年に投稿しよう!」 と思いきやまたもや忘れてしまい、インディーズアルバムに収録する曲にしようと改変を重ね二〇一八年の八月にやっと投稿した曲です。 なので歌詞も結構前に作ったもので、所々青臭い歌詞の部分もあって恥ずかしくもあります。 当時初めて物語調の曲を作ったということもあり、構成をどう持っていくか、ラストでどんな印象を聞いてくれる人たちに植え付けるかを考えるのが大変で、それでいてその中でいかに僕が言いたいことを散りばめるか、世界観を表す部分と、自分の気持ちを表す部分、その調整にかなり苦戦した覚えがあります。 苦戦した結果上手くまとまらず、結局長い歌詞になってしまいましたが、仕上がりはかなり気に入っています。 曲中の物語は、僕の実体験を元に作っています。 別段、この曲のように女の子と一緒に旅をすることも、もちろん誰かが死ぬわけでもありません。 中学三年生の夏頃、通算何度目かわからない家出を決行しました。 実は小学四年生の頃から、不仲な家庭に嫌気が差し、最低でも毎年一回レベルで家出をしていました。 それまでは家出といっても、家族に何も言わず、学校をサボって、バスでお金があるところまでふらっと行って、ちょっと気分が落ち着いたらふらっと帰ってくる、というただ日帰りで遠出するだけだったのですが、その時だけは本気度が違いました。 家庭では誰一人喋らず、学校でもいじめられていて居場所がなく、それでいてちょうど進学を考える多感な時期だったので、ストレスも大きかったんだと思います。 ここから逃げ出したいと強く願い、夏が始まる時期に僕は自殺未遂を起こしました。 自殺未遂に関してはまた別のところで詳しくお話ししようと思いますが、とにかく、未遂ですから失敗に終わり、それなら死ぬのではなく、文字通りここから逃げ出して新しいところで人生をやり直そう!と家出を強く決意し、午後十一時、自転車のカゴに小型の空気入れと、リュックと、防寒着一着、パンツと靴下一セットずつ、それなりの準備をしてコソコソと家を飛び出しました。 どこにいくかも決めず、ただあてもなく、好きな方向へ自転車をこぎ続け、そうすると段々自分が知らない田舎道に行き着いて少し不安になりましたが、この野原を越えたら僕はまた一つ大人になれる、と意味がわからないことを考え、ひたすら走り続けました。 お金はありませんでしたから水分や食料を購入することができず、時々川の水を飲んだり、丁度道の途中で工事現場を見つけて、工事中のおじさんが現場の離れた場所に置いていた、ポカリスエットがたっぷり入った水筒を盗んだりして生き延びました。 もちろん犯罪です。 当時は携帯電話なんて便利なものは買ってもらえませんでしたから、気づけば今どのくらい走っていて、どうやって家に帰ればいいかも調べられず、とうとう後戻りができなくなったと感じた時、自分の今までの苦悩は全て白紙に戻った気がしました。 僕はやっと、可哀想な子じゃなくなったんだ。 いじめられて、臭い奴と言われて、時には泣きながら帰った自分はもうどこにもいない。 今までの自分は死んだ。 これからは新しい自分を探しに行くんだ。 自転車で田舎の坂道を、汗まみれで必死に立ち漕ぎしながら、そんなことを考えていました。 しかし、金もなく食料もなくサバイバル知識もない、一人ぼっちのたかが中学三年生のガキが、何時間も何日も走り続けられるわけがありません。 結局最後は疲れ切って道路脇で座り込んでいるところを、優しいおじさんが心配して声をかけてくれて、最初はごまかしていましたがすぐにバレてしまい、交番に連れて行かれました。 交番に連絡してくれた時、かすかにおじさんの携帯の待受が見えて、そこには息子さんと娘さんであろう子供達の大層幸せそうな写真がありました。 素敵な家族写真で、嫉妬で殺してやろうかと思いました。 交番に連れて行かれ、おじさんが警察の人に事情を説明した後、またそこから警察署に「保護」という形で連行されることになりました。 正直、ワクワクしてました。 パトカーの中ってどんな感じなんだろう、とか、事情聴取の時にカツ丼もらえるのかなぁ、とか。 警察に連行されるという初体験に心が躍っていましたが結局、パトカーは機材が沢山ついているだけの普通の車だし、事情聴取でカツ丼はくれないし。 それでもちょっと期待して、ずっと何も食べてないからお腹すいてるよアピールをそれとなくしていたら、事情聴取してくれたおばさんが飴をくれたのを覚えています。 美味しかったです。 美味しかったけどカツ丼がよかった。 警察署に連れてこられて初めてわかったのですが、捕まった場所は隣の県。 家から山を一つ超えた百キロほど離れた場所で捕まったらしく、家出としては最高記録。 いい筋トレになりました。 もちろん、生き延びるために盗んだ、空っぽになった水筒は警察の人に預けました。 警察のおばさんにとっても怒られました。 その後警察から連絡が来た家族が迎えに来て、泣く泣く元の家に帰ってきた直後の僕の環境に、ちょっとだけ変化が起きました。 家に帰宅した次の日の夕食が、なんと家族全員が揃っていたのです。 ひどく警察に家庭のことについて詮索されたのか、それともお節介の母あたりが提案したのか、原因について本当のところはわかりませんが、その日は全員で夕食を囲むことになったのです。 そういえばパトカーに乗って警察署に連れて行かれる時、警察の人が家出の理由を聞いてきて、僕はなんとなく「家にいてもいなくても一緒だから。 夕食はバラバラで食べるし」と言っていたので、もしかしたらそれを警察の人が両親に伝えたのかもしれません。 夕食の場に全員が揃っている風景を見て、正直とてつもなく感動しました。 父と母と兄が同じ献立を食べ、同じテレビを見て、同じ空間にいるのを初めて見たのですから。 しかも同じ献立を食べているだけでは収まらず、父と母がちょっとだけ会話をしていました。 時々怒鳴り合っているところを見たことはありますが、普通の家庭のように会話のキャッチボールをしっかりするのを見たのも、その時が初めてだったと思います。 冗談も誇張もなしに、僕は物心ついた時からそんな風景を見たことがなかったのです。 本当に嬉しかったし、やっと僕もごく一般的な普通の家庭として生きていけるんだと思いました。 と思いきや、三日もしないうちに、またバラバラで食事をとる生活が始まりました。 それもそのはず、何年も話をしなかった僕たちが、普通の家庭になんて簡単になれるわけがありません。 慣れてはいたので、その時にはもうそこまで驚きませんでした。 もちろん学校のいじめも変わりません。 先生は干渉しませんし、家出をしたからといって、何もいじめには関係ありませんから。 僕の旅は結局、無意味で、無駄で、報われないまま終わりました。 変わったのは自分の心情だけでした。 そんな過去を、僕は半ば武勇伝のように思っていて、あのひたすら逃げて、ドキドキワクワクしたひとりぼっちの旅をなんとなく形にしたくて、この曲を作りました。 報われなかったけど、確かに旅をしている時とても楽しかった。 心の何処かでは失敗に終わるとは分かってはいたけれど、でもどう転ぶか分からない、そんなあの頃の僕のワクワクと期待感が、この曲を通して皆さんに伝わってくれたら嬉しいです。 余談ですが、二十歳になり、上京してきた理由も家出のような理由です。 家のストレスで就職活動もままならなかった僕はすでに「僕の人生を決めるのは、まずはこの家から逃げ出してからだ」と思っていました。 なので就職もせず、やりたいことも決めず、少ない貯金で東京に飛び出してきました。 東京は気温が暖かくて、すぐ汗をかく僕には最初うまく馴染めませんでしたが、今はなんとかやっています。 今は、あの頃不幸な環境にいた自分に幸せを感じさせてあげるために、沢山やりたいことに挑戦しています。 あの場所から逃げ出して、今新しい人生を生きています。 考えてみると、あの頃の家出は大人になっていつのまにか、やっと成功していました。 これからの人生をどう生きようが、全て僕の勝手です。 歳を重ねたら、外国にも行ってみたいです。 僕はキムチと肉料理が大好きなので、いつか韓国にも住んでみようと思います。 そして沢山の人と出会い、素敵な人と結婚し、いろんな世界のものを食べ、様々なことを体験し、幸せになりたい。 そして父と母と兄が死んだ時、彼らの葬式で、彼らの死体を蹴り飛ばし、踏みつけて唾を吐き、「お前たちより幸せになってやったぞ、ざまあみやがれ」と高らかに言ってやる。 そんな夢が心の何処かにあります。 僕は今でも、自分を好きになれません。 カンザキイオリ 1stアルバム「白紙」同梱『解説「白紙録」』より 4月24日発売 カンザキイオリ 1stアルバム「白紙」 新世代ボカロP、カンザキイオリの1stフルアルバム。 代表曲であるモンスターヒット「命に嫌われている」や「あの夏が飽和する」、「君の神様になりたい」等の既発曲を音色やミックスを変えるなど再構築し、新曲「音楽なんてわからない」、自身の歌唱による「進化劇」、カンザキがリミックスを熱望した同じく新世代ボカロPのGuianoによる「音楽なんてわからない Guiano Remix 」を含む全十四曲を収録した現時点での集大成であり、カンザキイオリ第一章といえる作品集。 CDの他にカンザキイオリが執筆した十三偏の詩と短編小説で構成された【詩小説「遺品」 全 三十六ページ 】、CD 収録曲の一つ一つがどのように産み出されたかと共に自身の生い立ちなどを生々しく赤裸々に語った自叙伝とも言えるセルフライナーノーツ【解説「白紙録」 全六十ページ 】、缶バッジ三個、ステッカー三枚が同梱されたスペシャルボックス。 カンザキイオリ第一章。

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