西野 カースト。 西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~ / 漫画:しのはらしのめ 原作:ぶんころり キャラクター原案:またのんき▼ おすすめ漫画

「テイルズ・オブ・西野」書籍化のお知らせ/金髪ロリ文庫(ぶんころり)の近況ノート

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ちゃんとイケメンじゃない主人公のラブコメを望む人たちへ…… 金髪ロリ文庫(ぶんころり) ---おしらせ--- 「MF文庫J様」より書籍発売中。 最新7巻は12月25日発売。 「月刊コミックアライブ」にてコミカライズが連載中。 コミックを担当して下さるのは「しのはらしのめ」先生です。 書籍ではウェブ版にはない書き下ろしを多数収録しています。 コミックではオリジナルなシーンや展開も満載です。 コミックは最新1巻が8月23日に発売。 mediafactory. cucuri. html --あらすじ--- 青春の尊さに気づいたフツメン高校生「西野」が、最強異能パワーを駆使して学園カーストを駆け上ろうと試みるも、一向に登ることができそうにない現代ファンタジー。 ヒロインはヤンデレ。 なお、この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。 …続きを読む.

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西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~ 無料漫画詳細

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「西野五郷、あ、貴方に伝えたいことがあリます」コミック1巻同時発売! 【新作ラノベ総選挙2019[文庫部門第2位! このライトノベルがすごい! 2019[文庫部門]新作第6位! オーディオドラマ好評配信中! 【部活動編完結! ぶんころり書き下ろしエピソード〈ガブリエラ〉収録! 】 学内カーストの中間層、冴えない顔の高校生・西野五郷は界隈随一の能力者である。 ブレイクダンス同好会への協力を決めた彼は、ローズやガブリエラ、竹内君を巻き込んでダンス大会に参加。 演目を完遂して同好会の窮地を救ってみせた。 するとその映像が予期せずネット流出、時の人となった彼らは、国内でも指折りのダンスイベントへ参加することに。 一方で二年A組では、竹内君にフラれたことで学内カーストを転がり落ちる松浦さんや、ブレイクダンス同好会に感化されて自撮りのダンス映像をネット公開してしまう委員長など、西野の存在がクラスメイトの在り方を段々と乱してゆくのだが……? 部活動編、待望の解決巻! 学内カーストの中間層、冴えない顔の高校生・西野五郷は界隈随一の能力者である。 ブレイクダンス同好会への協力を決めた彼は、ローズやガブリエラ、竹内君を巻き込んでダンス大会に参加。 演目を完遂して同好会の窮地を救ってみせた。 するとその映像が予期せずネット流出、時の人となった彼らは、国内でも指折りのダンスイベントへ参加することに。 一方で二年A組では、竹内君にフラれたことで学内カーストを転がり落ちる松浦さんや、ブレイクダンス同好会に感化されて自撮りのダンス映像をネット公開してしまう委員長など、西野の存在がクラスメイトの在り方を段々と乱してゆくのだが…? 部活動編、待望の解決巻! 著者略歴 「BOOK著者紹介情報」より この作品、ガワは作者のペンネームであるぶんころりという名前にふさわしくロリを主体としたリョナ上等のファンタジー作品なのだが、その実中身は現代の高校生が直面するありとあらゆるクライシスに真正面から取り組んでいるラノベ界では非常に珍しい作品であり、そこに起こる様々な事件、特に現時点では普通の高校生諸君に過ぎない子達へと降りかかるそれは、実は現在進行形で起こっている問題と大差ない。 リベンジポルノが全盛だった数年前と比べれば規制はかなり効いてきたものの、自分から人に渡す何気ない画像が様々な問題をアンダーグラウンドレベルで引き起こす現状は対して解決されておらず、背伸びをすることが当たり前の箱庭に入った子供達が外の人間に触発されて(この場合主人公なのが非常にタチが悪いw)様々な犯罪に巻き込まれ、または自ら飛び込んでいくという衝撃的展開が、特にこの巻においては顕著となる。 三人のヒロインやらサブヒロインやらが暗黒面(笑)に引きずり込まれる端緒がこの巻において展開されることとなる。 ああ、サブヒーローというかアンチヒーローの一人も、間も無く引き込まれるというより双極的立場になるきっかけの一つもここで語られることとなる。 主人公の立場は完全に40近くの独身のオッサンのそれに当たる。 これは作者がそれに近いことからも来ているのかもしれないが、これを書いている僕自身、西野が何度も求めていると言及する傷がない青春時代とは離れてしまった現実、つまり彼がそういう目に合わせたくないと度々言及する現実であるところの、高校時代に殺されたり自殺したりした同級生がいたりするのでとても共感できる部分は多い。 高校時代にそういうことが起こるのと、年取ってから風の便りで誰かが亡くなったことを知るのは全く違うのだ。 まあ、その辺はある程度歳をとってから想像すればわかるとは思う。 正直、こういう心境について描いているラノベ作品をあまり知らない。 作者自身がどうなのかは全く知らないが、少なくとも作者は若い年代のうちにそうした事件に友人もしくは自分が巻き込まれた人間を取材しているのが読み取れる。 そしてそれは多分偶発的なもの、もしくはそれほど積極的なものではなかったのではないか。 例えば原爆の話を当事者やそれに近い人が描くことができなかったのと同じように、実際そうした体験をした人間がそれを文芸に持ち込むのは無理なのだ。 いや、無理ではないか。 しかしその事実が圧倒的すぎるとそれをかき表すために大変なギアスが自分の中でかかるため(昨日挨拶した人間が次の日には黒焦げになって川を埋め尽くす一人となっているなどという現実は、当事者が客観的に書き表すこと自体が残酷な行為という定義に含まれるからだ)、遊びがなくなり文芸レベルに昇華できないのが普通だ。 故に完全なる当事者というより近くにいたシンパ、もしくは取材のうちにのめり込んでしまったか。 前者っぽいと勝手に思っている。 違ったらゴメン。 作者のメインキャラクターにおける狂気に満ちた価値観のズレは作者自身もどこかそうした価値観のズレを内包していることを発見しなければそれを描くことはとても難しいものなのかもしれない。 なんにせよ、こうした世界の関節が外れているという自覚すらなくそこに関節の外れていない箱庭を求める西野というキャラクターはとても面白い。 結果的に箱庭の住人達はその関節の外れた世界に引き込まれていくのはなんとも皮肉な話だ。 もちろん作者の現実に対するものの見方もあるそこにあるが、主人公が高校の青春という夢を追い求めるのに、その箱庭の中にいながら巻き込まれた住人は西野という世界の現実(それは現実離れしているようでいて実は身近に常に潜むいわば魔の世界)、もしくは巻き込まれない剽軽者のように一般的な社会の現実に気が付きそこに身を移そうとする。 下品すぎる人物描写の陰に隠された現代社会の病巣を赤裸々に描き、現実の男性もしくは女性の生理的なレベルにまで及ぶ気持ち悪さと真正面から取り組んだという意味では、なんと言われようと他にないとしか言いようがない作品だ。 純文学では何度も取り組まれてきてそしてやがて読まれなくなったテーマが、ラノベという形で復活するというのがそもそも意外すぎる。 この作品を恋愛に敗れた全てのむさいオッサンに勧めよう。 きっと今まですっきりしてなかった目の前の現実が、少しだけすっきりするようになる。 薄っぺらい表面的な関係をぶっちぎった本能に根ざす深い愛が、主人公の意図を完全に無視して展開されることを目の当たりにするだろう。 それは一見とても原始的で残酷で気持ち悪く不愉快ありながら、やがて全てを通り越していっそ清々しい。 惜しむらくは、その全てが主人公の求める青春とかけ離れた、しかし彼がいつも目の前にしている現実にどんどん近づいていくのが残念というか、西野、頑張ってくれとしか言いようがないw 心の中の箱庭を命がけで必死に守ろうとする主人公にやたら共感してしまう自分は、やはりオッサンなのだろう。 次巻以降も楽しみにしております。 Webはもう進まないでしょうが、こちらの続き、そして今回はラストの挿絵を見てやるじゃない、と初めて思いました。 漫画以外で2ページ使ってコントラスト取るのは出来そうですありながら紙面の都合でなかなかやらない手法であり、どんどん新しいことをすればいいと思います。 Webと内容がほぼ同じという、やたら完成度の高かったため改変の必要がないというカクヨム版の欠点(?)をどんどん補って素晴らしいと思います。 もともと構成が完璧な作品だから、むしろ弄れないんですよね。 だからこそ書き下ろしも効果的であり、ガブちゃんのキャラ深度が一気に高まったことも好感度高いです。 ますます楽しみにしております。 とりあえず、このレビューを覗いているという事は、西野に興味があるかと思います。 えぇ、普通に面白いです。 細かい事はこの作者の作品を前にしては無意味です。 ぶんころりさんの書籍はもう、読んでみて自分に合うか合わないかの二択しかありません。 なんといいますか……ふもっふにおける宗介を一般日常? や一般恋愛? や一般青春? に対して物凄く前向きにした……積極的にした……といえばいいのか。 田中の新刊 10 も発売したので、次は西野。

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このラノ記念SS 〈ある日のバーでの出来事(西野と常連客)〉 著:ぶんころり 午後八時を少しばかり回った頃合い。 六本木の繁華街、その外れに位置する雑居ビルの地下、二十数坪ばかりのスペースに設けられた手狭いバーでのこと。 同店のマスター兼バーテンであるマーキスは、カウンターに立ってグラスを磨いていた。 店内には彼以外に人の姿は見られない。 「…………」 開店から間もない時間帯、本日はまだ一人も客が訪れておらず、店内は静かなものである。 これといって仕事もない彼は、手持ち無沙汰にグラスを磨いたり、ボトルの配置を正したりと、暇な時間を過ごしていた。 するとしばらくして、店の入口に取り付けた鐘がカランコロンと鳴った。 「……相変わらず流行っていないな」 姿を現したのは制服姿の少年、西野である。 ぶっきらぼうな物言いと共に足を進めると、彼はマーキスの正面、カウンター席の中程に腰を落ち着けた。 相変わらずな仏頂面を近くに眺めて、バーテンはグラスを磨く手をそのままに言葉を返す。 「その方が落ち着けていいだろう」 「こんな店でも、常連客の一人くらいはいないのか?」 「常連客か……」 西野の何気ない呟きを受けて、マーキスは続く言葉に悩んだ。 するとこれと時を併せて、出入り口のドアが開かれた。 つい今し方に響いたものと同じ鐘の音が、店内に鳴り響く。 「いよぉ、今日も来たよ」 どうやら客のようである。 四十代も中頃ほどと思しきスーツ姿の男性だった。 彼は店内にマーキスの姿を見つけると、気軽に声を上げて店内を進んでいく。 そして、西野から二つほど席を離れて、奥まったカウンター席に腰を落ち着けた。 「さっそくで悪いけど、いつものを頼むよ」 「ああ」 その気さくな態度を眺めて、西野からマーキスに視線が向かう。 今まさに話題に上げていたような人物ではなかろうか、と。 これに対してバーテンは何を語ることもなく、粛々と酒を作り始めた。 どうやらその通りのようである。 一方で客の男は、フツメンの様子をチラリチラリと窺う。 制服姿の少年が珍しいのだろう。 本来であれば追い出されそうなものである。 やがて男は意を決した様子で、彼に声を掛けてきた。 「お兄ちゃん、こんなところでどうしたんだ? 学生さんだろう?」 「……ここのマスターとは知り合いだ。 気にしないでくれ」 「そうなのかい? あ、いや、娘と同じ学校の制服が気になったんだ」 「…………」 常連だなんだと軽口を叩いてみたものの、いざ実際にそれっぽい客が入ってくると、これはこれでやり難いものだと感じ始めた西野である。 男の口からは酒と食べ物の混じり合った匂いが感じられた。 既に一軒目である程度飲んでいるようである。 下手に絡まれても面倒なので、フツメンは黙って過ごすことにした。 やがて、マーキスの手により酒が出されると、男はこれをチビリチビリと舐めるように飲み始めた。 その口からは時折、バーテンに向けて言葉が溢れる。 話題は上司に対する愚痴であったり、家族に対する愚痴であったり。 それから杯を重ねること、気づけばいつの間にやら三杯目。 これを一息に煽った客の男が、思いつめた様子で呟いた。 「マーキスさん、俺、ヤバイんだよ……」 「……何がだ?」 「出会い系で知り合った女がヤクザの連れでさ。 脅されてるんだ」 「…………」 また面倒臭そうな話であった。 マーキスはグラスを磨きながら、何を言うでもなく黙って話を聞く。 男から続けられた言葉は、ありきたりな内容であった。 本人は真っ当な男女関係の末のアクシデントとして語ってみせるが、傍から聞いていれば美人局以外の何物でもなかった。 「それなら警察に行ったらどうだ?」 「警察に行ったら会社や家族にバラすって言われてるんだ。 嫁とは最近上手くいってないし、今のタイミングでこんな話をされたら、まず間違いなく離婚だ。 娘も多感な時期だし、そうなったら子供の将来まで滅茶苦茶になっちまう」 「…………」 そんなこと知ったことか、とはバーテンの素直な思いである。 しかし、語る男にとっては人生の一大事であった。 他に客の姿が見られないことも手伝い、繰り返し悲観に暮れた言葉が漏れる。 よほどのこと参っているのだろう。 放っておけば閉店まで、ずっと喋り続けそうな雰囲気が感じられた。 だからだろうか、ややあって西野がボソリと呟いた。 「どこの組の人間だ?」 「……え?」 「どこの組の人間に脅されているのかと訪ねたんだ」 「…………」 カウンターに片肘をついて、手にしたグラスを揺らしながら、イキり顔で語ってみせる。 もしも委員長が目の当たりにしたのなら、鳥肌を浮かべて非難の声を上げたことだろう。 だが、同所にはマーキスの他、酒に酔った客の男しかいない。 そして、それなりに飲んでいたことも手伝い、男は彼からの問い掛けを受けて、存外のこと素直に応えてみせた。 その口から近隣に所在する団体の名前が明らかとなる。 それは西野にとっても覚えのあるものであった。 「あそこか……」 するとこれまた格好つけて、彼は手にしたグラスを口元に運ぶ。 ゴクリと妙に大きく音を立てて、その喉を酒が下っていった。 傍から見たら学生のごっこ遊びにしか見えないから、これまたタチが悪い。 同じ一挙一動であっても、竹内君あたりが挑戦したのなら、多少は見られたものになったことだろう。 しかし、役者がフツメンでは残念極まりない出来栄えだ。 「……マーキスさん、あの」 「アンタの依頼、俺が受けてやってもいい」 それにも関わらず、西野は畳み掛けるように語り掛ける。 客の男は困惑を浮かべるばかり。 助けを求めるようにマーキスを見つめてみせる。 しかし、バーテンはこれに構うことなくグラスを磨いている。 そこで仕方がないとばかり、彼の意識はフツメンに戻った。 「い、依頼って何の話だい?」 「どうする? 報酬はここの支払いだ」 「君、まさかお酒を飲んで……」 「それでアンタの悩みの種をなくしてやる」 「…………」 普段であれば子供の世迷言など、相手にすることもなかっただろう。 だが、酔いが回っていたことも手伝い、男は気づけば素直に頷いていた。 色々な意味で浮き世離れした西野の言動を眺めて、或いは夢でも見ているのかと勘違いしたのかも知れない。 いずれにせよ同日、彼は西野の分の代金も併せて支払い帰っていった。 店の出入り口に取り付けられた鐘が、カランコロンと乾いた音を響かせる。 男は足元をふらつかせながら、頼りない足取りで帰路についた。 店内に残る二人は何を語るでもなく、その背中を店外に見送った。 それからしばらくして、マーキスが西野に向かい問い掛けた。 「アンタ、本気で受けるつもりか?」 「常連客は大切にするべきだろう」 「その割には面倒臭そうな顔をしていたように見えたが」 「気のせいだろう。 それに娘は同じ学校の生徒だという」 「……そうか」 素っ気なく呟いて、西野は男に奢られた酒をチビリと口にした。 マーキスはそれ以上何を語ることもなく、黙ってグラスを磨き始めた。 (終) ---あとがき--- こちらのテキストは「このライトノベルがすごい! 2019[文庫部門]新作第6位」を記念して、普段は書籍の特典SSとしてお馴染みの「ある日のバーでの出来事」シリーズから、出張版として書かせて頂きました。 全国の一部書店様の特典SSでは、このお話の裏話を書かせて頂いております。 配布は12月に入ってからの予定となっておりまして、詳細は追って本サイトにてお知らせいたします。 少々お待ち頂けますと幸いです。 ウェブ版から入られた方には、この機会に文庫版や電子書籍版にも興味を持って頂けたら嬉しく思います。 どうか何卒、よろしくお願い致します。 ++++++++++++++++++++++++++ 書籍化記念SS 〈西野の豊かな休日〉 著:ぶんころり 高校二年生の秋、西野は青春の尊さに気付いた。 きっかけは文化祭の準備に際して目撃した、何気ない学園カーストの一片。 そこに垣間見た十代の少年少女が形作る絶対の規則と、これによって決定される学園生活の質の上下。 更にその枠組の内側で、既に定義されていた自身の立ち位置。 これまでもこれからも、彼に与えられる十代は、誰の目にも明らかな灰色の青春。 先に待つのは孤独な老いと、やがて訪れる後悔と屈託にまみれた最後の瞬間。 その事実にはたと気付いた彼は、無我夢中で自らの生活態度を振り返り始めた。 自ずとモノの見方は変わり、結果的に彼の興味と感心は自身の身の回りに移った。 これまで何ら意識を向けなかった些末な出来事が、妙に新鮮なものとして映る。 何気ない日常の光景が、その色彩を変えて見える。 そんな昨今のフツメン。 おかげで休日を過ごす姿にもまた、大きな変化があった。 「……行くか」 それは例えば週末、取り立てて仕事も入っていない土曜日のこと。 西野は勇み足で自宅を後にした。 時刻は午前九時過ぎ。 普段であれば、未だ布団に包まって寝息を立てているだろう頃合いである。 それが本日に限っては、きっちりと身だしなみを整えて、珍しくもコロンなどシュッシュしての外出である。 ただし眉毛は整っていない。 自宅アパートを発った歩みは、最寄りの駅に向かった。 そこから幾本ばかりか電車を乗り継いだ先、訪れたのは表参道界隈。 何故かと言えば、イベントに参加する為である。 きっかけは昨日の晩、異性との交流を求めて、ネットで情報収集をしていた彼の目に止まった記事の一つ。 曰く、彼女を見つけるなら、イベントに参加するのが一番。 同じ趣味の女の子と仲良くなって、恋愛も婚活も存分に楽しもう、云々。 そんな酷くありきたりな謳い文句が、フツメンの心にヒットした。 「ここか…………」 結果的に彼がチョイスしたイベントはというと、表参道でネイティブと一緒に英語を学んじゃおう、オープンテラスのカフェテリアで楽しむ青山英会話クラブ、といった塩梅である。 参加費は五千円。 ドリンク一杯サービス。 場所、謳い文句、価格設定からして、意識の高いアラサー女性をターゲットにしたイベントだ。 少し考えれば分かりそうなものである。 ウェブサイトには、イケメンの欧米人とキレイめな日本人女性が、楽しげに会話する写真が掲載されていた。 だがしかし、未だ十代も中頃、異性経験も皆無の童貞野郎には、知る由もないことである。 ウェブサイトに設置されたコンタクトフォームへ、喜々として参加希望を申し入れた次第である。 他と比較して少し高めの価格設定が悪くない、云々。 オシャレな環境、自身の得意分野、本格的な舞台設定、これら要素を総合的に判断して、昨今の自分にとって最適なイベントこそ、こちらの表参道でネイティブと一緒に英語を学んじゃう、青山英語クラブに他ならないと考えたフツメンだった。 その脳裏では既に、異性と楽しげにトークする自らの姿が浮かんでいた。 青山で表参道のオープンテラスがキャッキャウフフ。 そんな全面お花畑の妄想である。 もしかしたら、連絡先を交換してしまうかもしれないな、などと本気で期待している。 おかげで目的地を目指す歩みも早い。 気づけばイベント会場となるカフェテリアに到着していた。 「なかなか良い店だな」 謳い文句どおり、表参道に軒を連ねた会場を眺めて西野は呟いた。 案内に記載があったとおり、立派なオープンテラスも窺える。 その店構えに満足したところで、期待を胸に店内へと足を踏み入れていった。 本来であれば友達と二人で巡る筈だったウィンドウショッピング。 そんな彼女の端末にドタキャンの連絡が入ったのが、つい数分ほど前の出来事であった。 弟が急に熱を出して、看病しなきゃならないの、とかなんとか。 連絡を受けて直後、気分の萎えた彼女は、そういうことなら自分も帰ろうかと考えた。 しかし、委員長は既に待ち合わせ場所まで赴いてしまっていた。 これから帰るにしても、それなりに時間がかかる。 休日の過ごし方としては、非常に勿体無いものだ。 そこで彼女は仕方なく、一人で町を散策することを決めた。 午前中を見て回って、ご飯を食べて早めに帰ろう、そんな本日のプランである。 委員長という役柄、なんだかんだで一人で行動することには慣れている彼女だった。 「あ……あの服かわいい」 人通りも多い休日の通りを、ゆっくりとした足取りで進む。 当然、周囲にはカップルの姿が窺える。 場所柄も手伝い、年若いペアが多い。 手を繋いだり、腕を組んだり、誰も彼も仲良さそうに通りを歩んでいる。 そうした様子を視界に入れないよう、視線を軒先に飾られたディスプレイに向けつつの散策だ。 「……うわ、八万円とか、高すぎでしょ」 ガラス窓越し、綺麗に陳列された女性向け衣料を眺めては一人呟く。 本日は天気も良く、気温も程々に暖かで、絶好の散歩日和だ。 身体を動かすことが好きな委員長だから、歩いているうちに段々と気分も良くなってくる。 たまには一人で見て回るのも悪くないわね。 少しばかり前向きな気持ちになってきた。 そうした矢先の出来事であった。 不意に彼女の視界に飛び込んできた光景が、その歩みを止めさせる。 「え……」 通りに店を構えたカフェテリア。 そのオープンテラスに、彼女はクラスメイトの姿を発見した。 それは昨今、何かと学内で話題の尽きない人物。 西野五卿である。 また、彼が腰掛けたテーブルには、他に数名ばかり人の姿があり、同じ卓を囲って言葉を交わしていた。 委員長が驚いたのは、そうして居合わせた面々の容貌である。 西野より一回り以上年上のアラサーと思しき女性が三名、更に二十代中頃の白人男性が一人。 まるで要領を得ない組み合わせだ。 「な、なにやってるのよ……」 委員長からオープンテラスのテーブルまで、距離にして数メートル。 耳を済ませると、相手の発する声を拾うことができた。 「講師の兄さん、どちらから日本にいらっしゃったのですか?」「あ、それ私も気になってました」「お兄さん格好いいし、イギリスとかフランスって感じがしますね」「あ、分かります。 そんな雰囲気ありますね」「スーツ姿がとっても格好いいです」 数名からなるアラサー女性が、イケメン白人男性に語りかける。 当然応じるのは、問い掛けを受けた本人だ。 「生まれこそイギリスなんですが、訳あって育ちはマルタという小さな国になります。 地中海に浮かぶ小さな島で、日本の東京より小さい国ですね。 位置づけ的には南ヨーロッパということになります。 マルチーズの語源になっていたりしますね」 「地中海とか格好いいですね!」「すごーい! なんだかとってもオシャレですね」「とってもセレブな感じがします。 もしかして、お金持ちなんですか?」「私もマルタとか、一度でいいから行ってみたいです」 「良い場所ではあるんだけど、生活をするには大変なところですよ。 日本の方だと、特に水回りで苦労すると思います。 マルタは水不足が深刻で、僕も小さい頃から母親に、シャワーの時間を短くしろと、口を酸っぱくして言われていました」 会話の中心にいるのはイケメン白人男性だ。 どうやら講師なる立場にあるようである。 英会話クラブとしては、テーブル一つを預かるホストのような役割にあるのだろう。 そして、彼を囲うようにアラサー女性たちが、賑やかに言葉を交わしている。 そうした只中へ、空気を読めないフツメンがちょいちょいと口を挟むのが、こちらのテーブルで繰り返されてきた会話の流れである。 今この瞬間もまた、覚えのある国名を耳にして、彼の口が開かれた。 「俺もマルタを初めて訪れた時、水で腹を下した覚えがある。 おかげで最中の仕事は大変だった。 日本で生活していると、どうしても水のありがたみというものを忘れがちだ。 まさか水道水が塩味とは思わないだろう」 例によって圧倒的な上から目線。 おかげで西野の発言を受けて、周囲からは非難の声が挙がる。 「あのね、君って学生さんだよね? さっきも言ったけど、今はお姉さんたちが話をしているところなんだよ?」「小さいうちから嘘ばかり言っていると、ろくな大人になれないよ?」「ほら、こっちのお兄さんも困っているでしょ?」 声を上げたのはアラサー女性たちだ。 これで三度目となる。 当然といえば当然のツッコミだ。 それでも彼が竹内君のようなイケメンであったのなら、待遇は変わっていただろう。 背の高いイケメンの高校生、そんなキーワードに彼女たちも興味を示したに違いない。 だが、残念ながら西野はフツメンだった。 眉毛も碌に整っていないフツメンだった。 しかも無駄に流暢な会話を見せる彼のせいで、その発言に引きづられてしまい、思うようにイケメン講師とお話をできていない彼女たちである。 曰く、これでは何の為に高いお金を払って、イベントに参加したのか分からない。 彼女たちはネイティブのイケメン白人男性とトークしに来たのである。 その為の参加費五千円なのである。 間違っても西野のような小生意気な言動の子供に、英語という自らの得意分野で、マウントを取られる為ではない。 「ああいや、すまない。 興味を唆られる話題だったのでな」 「い、いいえ、それは構いませんよ。 同じお客様ですので……」 やり取りをするイケメン男性は苦笑いだ。 どうやら西野に悪意が無い点は理解している様子である。 「たしかに英語は堪能なようだけれど、それならクラスを分けるべきじゃないかしら?」「そうよね。 学生さんと違って、私たちは他に仕事を持っていたりするから、英語ばかり勉強していられないのだし」「あの受付の女性なんてどうかしら?」 交わされる言葉は全て英語だった。 残念ながら委員長には理解できない。 「…………」 ただ、彼女の立つ位置からは、皆々の表情の変化を確認することができた。 おかげで現場の雰囲気もまた、少なからず委員長の下に伝わった。 交わされる言葉こそ理解できずとも、居合わせた人たちの構成、その振る舞いから、志水はそれがどういった集まりであるかを判断することができた。 表参道、おしゃれなカフェ、アラサー女性数名、白人男性一名、英会話。 そして、そこに迷い込んだ空気の読めないクラスメイト。 「どんだけ女に飢えてるのよ……」 一様に西野から距離を取るべく動く女性三名と、その対応に難儀する白人男性一名。 前者はお客で、後者は彼女たちを迎え入れる為に、お店側が用意したキャストだろうと、委員長は即座に当たりをつける。 そういった類いのイベントなのだろうと。 そして、西野の存在が故に、四苦八苦するホストの白人男性。 クラスで同じような立場にある彼女だから、自ずと感じるものがある。 「…………」 おかげで自分のことのように恥ずかしくなった彼女である。 まさか感づかれては堪らない。 踵を返すと共に、オープンテラスから距離を取るよう、早歩きで来た道をもどり始める。 ただ、それはそれで悔しい委員長である。 どうして私が西野君なんかの為に、来た道を戻らなきゃならないのよ。 「…………」 そこで委員長はおもむろに、バッグから端末を取り出した。 パシャリと一枚、西野が着いたテーブルの様子を写真撮影である。 「……休日にまで遭遇するなんて、まったく最低よね」 後日、学内では西野に新しく、熟女好きなる称号が与えられることになる。 (終) --- 「テイルズ・オブ・西野」改め「西野 〜学内カースト最下位にして異能世界最強の少年〜」ですが、皆様のおかげで書籍としても日の目を見ることができそうです。 本当にありがとうございます。 西野やローズを筆頭として、各キャラにもイラストが付いてまいります。 ウェブ版と併せまして、最後までお付き合い頂けたら幸いです。 どうぞ、よろしくお願い致します。 ++++++++++++++++++++++++++ 解説のようなもの 平坂読 バーの片隅で一人グラスを傾ける、血と硝煙の臭いが漂う男。 洒脱な会話と硬質な文体で綴られる、ハードボイルドな物語。 しかしその小説の主人公がもしも、スクールカーストの中〜下層に位置する凡庸な容姿、いわゆる「フツメン」の少年であったなら、小洒落た台詞もバイオレンスも、途端に滑稽なものとなる——。 本作は、そんなワンアイデアのみで書かれた 一点突破型 一発ネタの作品——ではない。 無論、それがこの作品の大きな特徴であることは間違いないのだが、物語を読み進めれば読み進めるほどに、本作は多様な顔を見せる。 物語の筋書きを大雑把にまとめれば、「強力な異能を持つ少年が様々な事件に巻き込まれながら、充実した青春を目指して学園生活を送る」というありがちなものだが、そのディテールは非常に独特である。 まずこの西野という主人公、とにかく報われない。 女子に話しかければ引かれ、文化祭の準備を積極的に手伝おうとしても、クラス内での立ち位置は良くなるどころか悪くなる。 クラスメートの窮地を救っても手柄はイケメンに持って行かれる。 これほど空回りする主人公も珍しいのだが、その空回った結果に対して西野本人は妙に冷静でポジティブなのが、さらになんとも言えないおかしみを醸し出している。 1巻の中で西野の特異なキャラクター性を最も端的に表しているエピソードといえば、やはり自分の机に汚物が詰め込まれていた時の反応だろう。 冷静かつエキセントリックな対応に、読者は西野のことを格好いいとすら感じるかもしれない。 しかしそんな西野に対して、物語の語り手である作者の評価は常に辛辣だ。 足りていない、とんでもない阿呆、童貞野郎……。 「実は凄い力を隠し持つ、泰然とした主人公」というのは、本来ならば(たとえ顔がフツメンであっても)読者の憧れや自己投影の対象に十分なり得るものだが、語り手のドライな目線がそれを阻み、西野という少年のことを外側から眺めることを強いられるのだ。 これは学園モノのライトノベルとしては非常に珍しい作りと言える。 主人公のみならず、(1巻の中ではまだ大人しいが)金髪ロリ美少女のローズ、メインヒロインの太郎助、クラス委員の志水さんなど、脇を固めるキャラクター達もまた非常に個性的で、物語が進むにつれて本作は「西野を中心とした群像劇」というテイストも持ち合わせるようになり、ますますジャンル分けが困難になっていく。 物語構成やキャラ造形だけでなく、(書籍版では修正されているかもしれないが)スラングや露悪的な表現など、文章自体も好き嫌いがはっきり分かれるところだろう。 あらゆる意味で尖った本作が、非常に人を選ぶものであることは間違いない。 しかしこの強烈な個性こそが、筆者を含めツボに嵌まった者達にとっては他に替えのきかない魅力なのである。 この凡にして非凡、ジャンル分け不能な、あえて言えば「西野という少年の物語である」としか説明しようのない作品が、今回の文庫化を契機に少しでも多くの読者に届き、受け入れられることを切望してやまない。

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