ポンジュノ 天才。 格差硬直を照射した天才ポン・ジュノ復活作

ポンジュノ【パラサイト映画監督】プロフィール&天才と呼ばれる理由!

ポンジュノ 天才

冒頭から強烈な印象を与える半地下という生活環境と、キム一家が置かれた状況が一気に分かります。 この状況描写がポン・ジュノ監督は本当に上手いなぁと感じました。 まさしくパラサイト キム一家の長男は、友人からの紹介で富豪のパク一家の家庭教師の仕事を引き受けます。 そこで登場するパク家も、急な坂道の丘に住む見るからに豪邸で、キム一家との明らかな格差が映し出されます。 パク家の婦人に気に入られたギウは、美術の家庭教師を探している婦人に自分の妹、ギジョンを偽って紹介するのです。 その後、パク主人の運転手、パク家の家政婦を意図的に追い出すことで、父ギテクと、母チョンソクもパク家に仕えることになり。 まさしく、 パク家にパラサイト(寄生する)のです。 ただ、これで終わるはずがありませんよね。 予想できない展開 長男ダソンの誕生日、家を家政婦に任せてキャンプに出かけるパク一家。 誰もいないことを良しとして、パク家の豪邸を思う存分に楽しむキム一家。 その不釣り合いさが独特の雰囲気を醸し出し、寄生に成功した喜びと若干の不穏な空気が漂います。 そこに追い出した元家政婦が現れるのでした。 忘れ物をしたと戻ってくる彼女を不審に感じながらも家に通すと、 地下の備品庫に、さらに地下へ続く隠し階段があることが分かります。 そこで 元家政婦は夫を密かに住まわせていたのです。 彼女も貧困層の人間で、キム一家と状況は似ていました。 そのため本来、元家政婦の心境がキム一家には理解できるはずなのですが、すでにパク家に寄生している彼らにとって彼女はすでに自分たちより下だと認識してしまっているのです。 それは、仕事を奪った運転手の行く末を心配しているところでも伝わってきます。 一方の元家政婦も、キム一家がパク家を騙して寄生していると分かった途端に、ここぞとばかりに猛攻をしかけてきます。 同じ貧困層であるはずの関係が、互いを貶めあう関係になっていく描写は膝を打ちました。 効果的な格差の描写 パク家に、2つの家庭がパラサイトしていることが分かり、家主が不在の間に攻防が繰り広げられます。 その後、大雨のためパク家族が帰ってくると分かると、慌てて片付けることに。 彼らはソファーテーブルの下に隠れるのですが、息子ダソンが庭でテントを張ったことで、パク夫婦がソファで寝ることになってしまいます。 その上、状況を何も知らないパク夫婦は、ソファの上でセックスを始める展開に(笑)。 寝落ちしたころを見計らい、家から抜け出す3人。 ここで初めて、パク家とキム家の位置関係が分かります。 丘の上に立つパク家に対し、半地下のキム家がどれほど下にあるのかが効果的に映し出されます。 大雨によって半地下の家は水没し、避難所暮らしを強いられるキム一家。 水没しつつある半地下の溢れ出すトイレで、タバコを咥えるギジョンの姿が印象的でした。 一方のパク家は大雨でもなんの被害もなく、庭でパーティを開くことに。 これでもかというほど、格差の対比が映し出されていましたね。 映画 『ジョーカー』でもそうでしたが、効果的に階段を使った上下の描写が印象的でした。 衝撃の結末 パク家でパーティが行われます。 ダヘの部屋から庭を見下ろすギウは、自分がこの場所に似合うかどうかが気になっていました。 パク家の地下にいる二人を何とかしないといけないため、ギウは友人からもらった石を持って地下へ向かいます。 しかし誤って落としてしまったことで、元家政婦の夫に気づかれ返り討ちに合ってしまいます。 その後、男はナイフを持って庭で行われているパーティに乱入し、ショックを受けたダソンは失神し、ギジョンは運わるく刺されてしまいます。 男を止めることに成功するものの、パーティは大混乱。 パクは、キテクから車のキーを受け取ろうとしたその一瞬、キテクの「匂い」にしかめっ面をしてしまいます。 これまでの積み重なった思いもあったのか、 キテクは衝動的にパクを殺してしまいます。 その後、ギジョンは死亡し、ギテクは地下室で一人身を隠し、世間からは行方不明扱いとなります。 ギウは脳に障害があるものの助かり、裁判でも執行猶予判決で終わります。 豪邸の地下室にいる父からのメッセージを受け取ったギウは将来、金持ちになって豪邸を自分で購入することで父親と再開するという夢のようなストーリーを計画するのでした。 先に紹介したエロのパートと同じですが、パク家の夫婦がソファでセックスするシーンがすごいです。 ソファの上では生々しいセックスをしてるキム夫婦。 テーブルの下には息を潜めるギテクとギウとギジョンの3人。 見つかったらまずい緊張感と、セックスを始めたことへの気まずさの雰囲気が絶妙。 そして、家庭教師と教え子という形で、交わるはずのない貧富の格差がギウとダヘのキスという形で交わります。 その描写の仕方もやけにネットリしていて、二人のキスの仕方に違いは感じられません。

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ポン・ジュノ監督おすすめ映画9選!『パラサイト 半地下の家族』アカデミー受賞でさらに注目を浴びる存在に!

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中流階級が暮らす閑静なマンション。 うだつの上がらない大学の非常勤講師ユンジュは、出産間近の妻ウンシルに養われながら教授を目指している。 そんな中、ペット禁止のマンションで犬の鳴き声が響き渡り、彼をイラつかせていた。 そしてある時、彼はたまたまその犬を見つけ…。 おすすめポイント ポンジュノ監督初の長編作品がこちら。 予告編からも分かるように、ペットを飼っている方には刺激の強い映像があるので注意が必要です。 コメディタッチで描かれますが、 団地マンションを舞台に中産階級の複雑な事情を裏にしっかり描く構造はさすがポン・ジュノというべき作品。 日本でも人気の女優、ペ・ドゥナが映画初主演しています。 原題 플란다스의 개 監督 ポン・ジュノ 主演 ペ・ドゥナ 製作年 2000年 上映時間 110分 1986年10月23日、農村で若い女性の変死体が発見される。 地元の刑事パク(ソン・ガンホ)は地道な取り調べを始めるが、現場は大勢の見物人で荒らされ、なかなか証拠がつかめない。 そんな中、第ニの事件が起きてしまい…。 おすすめポイント 実際に起きた未解決連続殺人事件をテーマにした衝撃のサスペンス。 僕が韓国映画にハマったきっかけの一つがこの映画です。 地方の刑事と都会の刑事がぶつかり合いながらも、「互いの犯人を挙げる」という共通の意志によって進んでいく展開は秀逸。 ラストのソン・ガンホの表情は、本当に素晴らしい。 33年が経った2019年、DNA鑑定により犯人が特定されました。 しかし、時効が成立していることもあり、訴追できなくなっています。 原題 살인의 추억 監督 ポン・ジュノ 主演 ソン・ガンホ キム・サンギョン 製作年 2003年 上映時間 130分 河川敷で売店を営むパク家の長男カンドゥ(ソン・ガンホ)の中学生の娘、ヒョンソ(コ・アソン)も怪物にさらわれてしまう。 カンドゥは妹ナムジュ(ペ・ドゥナ)らとともに病院に隔離されていた。 その頃、携帯電話に娘からの連絡が入ったことから一家で脱出を試みるが…。 おすすめポイント ポン・ジュノ監督が描く怪物(モンスター)映画。 やはり根底に貧困層の生き辛さを感じさせるものがあります。 本作は 実際に起きたホルムアルデヒド垂れ流し事件をモチーフにしています。 エイリアンに近い造形の怪物が暴れまわる様子と、それに対する政府や軍の対応など、考えさせられるものがありました。 原題 괴물 監督 ポン・ジュノ 主演 ソン・ガンホ 製作年 2006年 上映時間 120分 夫を早くに亡くしてから一人息子のトジュン(ウォンビン)と静かに暮らしているヘジャ(キム・ヘジャ)。 ある日、街で殺人事件が起こり、トジュンが第一容疑者にされてしまう。 事件の解決を急ぐ警察はトジュンを犯人と決めつけ、無能な弁護人も頼りにならない中、ヘジャは真犯人を捜し出し、息子の無実を証明しようとする。 おすすめポイント この映画「容疑をかけられた息子を守る強い母親」ではない。 一筋縄では行かない構成と、あっと驚かされる展開の数々は、見事。 韓国有名イケメン俳優のウォンビンが、そのイメージを払拭するほど知的障害を持つ演技を熱演していました。 家庭を持った後に見るとまた違って見えるのかもしれないと感じた映画。 原題 마더 監督 ポン・ジュノ 主演 キム・ヘジャ ウォンビン 製作年 2009年 上映時間 129分 氷河期が引き起こされてしまった2031年の地球。 生き残ったわずかな人類は、唯一の生存場所である1台の列車に乗り込み、深い雪に覆われた極寒の大地を行くあてもなく移動していた。 列車内では、前方車両の富裕層と、後方車両の貧困層に分かれている。 奴隷のような扱いを受ける後方の人々の怒りは爆発寸前になっていた。 そんな中、カーティス(クリス・エヴァンス)という男が反乱を起こすべく立ち上がる。 おすすめポイント まず、設定が面白いです。 地球温暖化防止のための薬品が氷河期を引き起こし、その中で発明された永久機関の列車が唯一の生存場所。 漫画のような設定で、ハリウッド感もあるポンジュノ作品ですが、ここでも描かれるテーマはやはり格差社会。 『アベンジャーズ』のクリス・エヴァンスと韓国を代表する名優、ソン・ガンホのコラボは見ていてワクワクします。 原題 설국열차 監督 ポン・ジュノ 主演 クリス・エヴァンス ソン・ガンホ 製作年 2013年 上映時間 125分 あらすじ 韓国の山奥で暮らす少女ミジャ(アン・ソヒョン)は、大きくも優しい動物オクジャの面倒を見ながら平穏な毎日を送っている。 ところがある日、多国籍企業のミランド社がオクジャをニューヨークに連れ去ってしまう。 ミランド社はオクジャを利用してある壮大な計画を企てていたのだった。 オクジャを救うため、具体的な方策もないままニューヨークへと旅立つミジャだったが…。 おすすめポイント NETFLIXオリジナル映画の本作。 ポンジュノ監督は、本当にいろんな形で映画を撮っていることが伺えます。 オクジャとは何なのか、そしてその正体を知った時どう感じるのかという、エンタメ性の面白さと、ふと考えさせられるテーマの普遍性。 ジェイク・ギレンホールなど、脇を固める豪華俳優陣が作品を盛り上げてくれます。 ある日、長男のギウ チェ・ウシク の友人のツテで、パク氏一家が暮らす豪邸で家庭教師のバイトを始めることに。 奥さんに気に入られたギウは、妹のギジョン パク・ソダム を紹介するのだった…。 おすすめポイント カンヌ国際映画祭で最高のパルム・ドール。 アカデミー賞で最高の作品賞。 名実ともにポンジュノ監督の代表作となった『パラサイト』。 街全体をセットにして創り上げた徹底さが生み出す世界観はすごいとしか言いようがないです。 現代社会を風刺的に描きつつも、エンターテイメント性抜群でユーモアもある。 映画の面白さを改めて教えてもらえた作品です。 見ないと損。 原題 기생충 Parasite 監督 ポン・ジュノ 主演 ソン・ガンホ イ・ソンギュン チョ・ヨジョン チェ・ウシク パク・ソダム 製作年 2019年 上映時間 132分 関連記事 韓国の天才映画監督ポンジュノから目が離せない ポンジュノ監督のおすすめ作品をご紹介しました。 『パラサイト』で知った方も、ぜひ過去の作品をみるべし。 きっと驚くと思います。 近年、ポンジュノ監督を筆頭に韓国映画の盛り上がりがすごいです。 はっきり言って日本映画は遅れを取っていると言わざるを得ません。 韓国はドラマだけじゃなく、映画も面白い。 そして韓国の映画はポン・ジュノ監督から。 U-NEXTではポン・ジュノ監督作品の多くが視聴できます。 31日間の無料体験で解約すれば完全に無料で視聴できます。 下のリンクから31日の無料体験ができるのでお得なサービスをぜひ利用してください。

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ポン・ジュノが選ぶ2010年代の映画5本 : 映画ニュース

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ポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』に寄せられた著名人のコメントが公開された。 『第72回カンヌ国際映画祭』でパルムドールに輝いた同作は、全員失業中で「半地下」住宅においてその日暮らしの貧しい生活を送るキム一家を中心にした作品。 長男・ギウがIT企業を経営する裕福な一家の家庭教師になったことをきっかけに、2つの家族の出会いが悲喜劇へと発展していく、というあらすじだ。 公開は2020年1月。 コメントを寄せた著名人は、是枝裕和、阪本順治、濱口竜介、李相日、西川美和、山下敦弘、片山慎三、川村元気。 是枝裕和のコメント 観る前の人に、この映画の内容を説明するのは野暮だ。 「見ろ!」としか言えないし、「面白い!」としか言いようがない。 だから、とにかく見て欲しい。 阪本順治のコメント 観終わってすぐに、私のこころが呟いた言葉は「あぁ、とても同じ職業とは思えない」。 感動を越えて、ひざから落ちた。 これはもう映画の範疇に収まらない。 著述であり、彫刻でもあり、絵画でもあり、建築でもある。 常にアンダーグラウンドから世界を見据えるポン・ジュノ監督は、この作品を経て、もはや、現代のミケランジェロだ。 悔しいかな、彼を越えるのは、きっと、彼自身でしかないだろう。 濱口竜介のコメント 「傑作」という言葉では足らない、現代映画の一つの到達点。 映画とはここまで面白くなくてはならないのかと、一監督として途方に暮れた。 李相日のコメント 暗闇を目隠しで疾走するごとく巡る興奮と刺激の奥底に、社会の不浄さ、人間の滑稽さを教訓などで語らずして優雅に描き切るその腕力にただひれ伏す。 笑いながら観ていたはずが、気づけば背筋が凍る衝撃に慄いてしまう。 西川美和のコメント ポン・ジュノ監督の持つ天才的なグロテスクさと笑いとに、最高の洗練が加わった。 これだけ社会の重い病巣を描いているのに、どうしてこんなにも面白く観られてしまうんでしょうか。 どんなに斜に構えている人でも、どんなに映画を見慣れていない人でも、五分で目を離せなくなるように作られています。 世界中に褒められて当然! 山下敦弘のコメント 貧乏家族が金持ち家族を侵食していく、分かりやすいコメディだと安心させておいて、とんでもないところへ観客を導く。 ポン・ジュノは映画を信じ、観客を信じて自ら映画を遊んでしまう。 なんか映画の全部が詰まってる感じ。 いつか爪の垢を煎じて飲ませてください 片山慎三のコメント ホームグラウンドにポン・ジュノ監督が帰って来た!! 的確なフレーム、リズミカルなセリフ、驚愕のストーリーテリング! そのひとつひとつに意味があり計算されつくされている!芸術とエンターテイメントの見事な融合! 観終わった後、あなたに寄生する大傑作です! 川村元気のコメント 映画人として最も尊敬しているポン・ジュノ監督の最新作であり、カンヌ映画祭のパルムドール受賞作。 期待値を上げるだけ上げて観たら、底が抜けて奈落に突き落とされたような衝撃。 見上げると、巨軀の天才が満面の笑みでこちらを見ている。 僕たちは、ここから這い上がらないといけない。

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